円成寺

奈良市と柳生の中間地点にある円成寺は奈良県を代表する浄土庭園を有する美しい寺院です。人里離れたこの地ならではの静けさが創建当時の様子を今も感じることができます。大仏師・運慶作の国宝大日如来坐像は運慶の最初期作とされる貴重な仏像です。

御朱印はこちら→円成寺

円成寺の歴史

円成寺は756年、聖武・孝謙両天皇の勅願により、唐僧虚瀧和尚の開創と伝わっていますが、史実的には1026年命禅上人が十一面観音を祀ったのが始まりです。1112年には本尊「阿弥陀如来坐像」が祀られました。1487年には、14の堂宇が存在する大寺院でしたが、明治の神仏分離以降は衰退の一途をたどりました。現在では多宝塔など主要堂塔はほとんど再建しています。

運慶作:大日如来坐像

大日如来坐像(国宝)

木造 像高98.8cm、制作年代:平安時代、制作者:運慶

運慶の最初期の作と知れる記念碑的仏像です。若々しい表情とそのしっかりした体躯には晩年の運慶にはない初期作ならではの特徴がいくつも見られます。この大日如来坐像の墨書により20代で製作されたことや、運慶が康慶の子であることが判明するなど慶派の歴史を知る上で貴重な仏像となっています。

かつては多宝塔に安置されていましたが、現在は相應殿に移されました。




本堂

本堂と楼門

本堂(重要文化財)室町時代

平安時代に建てられた本堂は応仁の兵火で消失し、その後創建時と同じ姿で再建されたのが現本堂(阿弥陀堂)です。全国でもまれな、春日造社殿両庇付寝殿造阿弥陀堂です。

本堂内陣母屋四本柱には、阿弥陀如来に従うように観音菩薩、勢至菩薩をはじめ、阿弥陀二十五菩薩来迎の構成を表し、極彩色で描かれています。

本尊:阿弥陀如来坐像

阿弥陀如来坐像(重要文化財)

木造 像高145.4cm、制作年代:平安時代、制作者:運慶

円成寺の本尊です。目の細さや穏やかな表情からいわゆる定朝様の半丈六坐像です。定印を結び九重の蓮華台座に坐しています。少し目を下げたところは、来迎阿弥陀の意味を含み、宝相華唐草模様の光背を持ち、荘厳な蓮華座に安坐した姿は、平安時代藤原文化の象徴ともいうべき優雅な仏像です。脇の四天王像と共に重要文化財に指定されています。

その他境内の様子

鎮守社(春日堂・白山堂)

円成寺の境内には国宝に指定されている鎮守社、春日堂・白山堂があり、神仏習合の名残が垣間見えます。さらには白山堂の東隣にある宇賀神堂は重要文化財に指定されています。

また名勝庭園から見ることができる楼門は室町時代に再建され、重要文化財に指定されています。



名勝庭園

平安時代末期に寛遍上人のころに造成されたと見られています。平安から鎌倉時代にかけて貴族住宅に流行した寝殿造系庭園に類似し、寺院としては阿弥陀堂の前面に広がる浄土式庭園として、岩手県の毛越寺庭園とともに貴重な遺構です。
苑池中央と西には中島があり、かつて中央の島には橋が架かっていました。

秋には紅葉の美しさが有名で、名勝庭園には多くの人が訪れています。

【紅葉の見頃】10月下旬~11月下旬

周辺のおすすめスポット

円成寺の名勝庭園脇にある食事処「里」では名勝庭園を眺めながら食事をすることができます。

季節の料理が楽しめまた草餅など軽食も用意しているので、休憩に利用するのも最適です。

営業時間
11時〜15時 水曜定休

アクセス

<住所> 奈良県奈良市忍辱山町1273

<電話> 0742-93-0353

<入山・拝観時間> 9:00〜17:00

<拝観料> 400円

<駐車場> 無料駐車場あり

自動車をご利用の場合
JR・近鉄奈良駅から車で20分

電車・バスをご利用の場合
JR・近鉄奈良駅から柳生、邑地中村、石打行きバス「忍辱山(にんにくせん)」下車すぐ