大安寺

南都七大寺の一つに数えられる大安寺です。創建当時は官大寺の筆頭として道慈律師によって整えられた大伽藍は壮麗を極め、887人の学呂が居住する仏教の総合大学でした。現在では癌封じの寺として知られ毎日多くの人が御祈祷に訪れています。

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大安寺

大安寺の歴史

資料によると、病床の聖徳太子を田村皇子(舒明天皇)が見舞った際に、聖徳太子が「熊凝精舎」(現・額安寺)を大寺として造営してほしいと告げられ639年に百済寺が創建されました。その後高市(現・明日香村)に移され高市大寺と寺名が変わり、さらに677年大官大寺と改めました。そして平城遷都に伴い大官大寺も現在の地へ移り大安寺となりました。

都が平安京に移ってからは衰退の一途をたどりかつての壮大な伽藍の殆ど失い現在の規模になりました。

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額安寺



秘仏本尊 十一面観音像

十一面観音立像(重要文化財)

一木造 像高190.5cm 製作年代:奈良時代

奈良時代の作ではありますが、頭部や腕など後補されており大安寺の所有する他の仏像同様に保存状態はあまりよくはありません。しかし奈良時代の十一面観音像の特徴でもある190cmにもなる大きさ、肉付きのよい体部と柔らかい条帛裳の流れ、そして天衣の見事な表現はこの像の優美さをよく引き立てています。

【特別公開期間】10月1日〜11月30日

秘仏 馬頭観音像

馬頭観音立像(重要文化財)

一木造 像高173.5cm 製作年代:奈良時代

普段は嘶堂に安置される秘仏です。こちらも十一面観音像やその他の仏像同様に保存状態があまり良くはなく、後補部分が多い仏像です。一般に馬頭観音様は、頭上に馬頭をいただく忿怒の形相ですが、この尊像にはその馬頭がありません。かわりに胸飾りの瓔珞(装身具)と足首に蛇が巻きつき、腰には獣皮をまとっている極めて珍しい姿です。儀軌以前の古像で、馬頭観音の原初の姿とも考えられる貴重な仏像です。

【特別公開期間】3月1日〜3月31日



収蔵庫

大安寺HPより引用

大安寺には先述の十一面観音像や馬頭観音像以外にも多くの天平時代末期の仏像を収蔵庫にて安置しています。天平時代の仏像を一堂に会する収蔵庫は全国でも数える程度しかなくかなり貴重な収蔵庫です。大安寺一木彫の尊像は、部分的には後補もありますが、全体として天平時代末期の特異な存在として、世に大安寺派とか大安寺様式と呼ばれています。

伽藍

大安寺の伽藍は現在ではそのほとんどが失っていますが、かつては東大寺興福寺と並ぶ奈良を代表する大伽藍を有していました。主要伽藍は南大門・中門・金堂・講堂が南から北へ一直線に配されており、その両端には東金堂と西金堂が並んでいました。さらに大安寺の伽藍の特徴として、南大門の南に七重塔が東西に二基並んでいました七重塔は南都七大寺の中でも東大寺と大安寺だけ70m程の高さであったとされています。現在でも塔跡は国の史跡に指定されています。

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史跡 大安寺旧境内

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東大寺

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興福寺



境内の様子

上記のかつての伽藍とは違いますが、現在では本堂以外にも多くのお堂が建ち並んでいます。

本堂

嘶堂

小子坊

護摩堂

南大門

十三重石塔

【美流孔塚(みるくづか)】

女性の乳房の形をしています。ある乳癌を患われた方が、大安寺でご祈祷され、無事完治したお礼に寄進されました。乳癌の方やその有縁の方、またそのような病にならないようにと願う方等が祈られます。

祈願方法は、美流孔塚を撫でて祈念します。

光仁会

光仁会は癌封じ笹酒祭りとも呼ばれ、光仁天皇の一周忌の齋会を大安寺で営まれたという『続日本紀』の故事により行われています。光仁天皇は不遇な白壁王時代に、大安寺の竹林にて浄竹を伐り、酒を注いでお召しになり、中国の故事にいう「林間酒をあたためる」風流を催されて無病息災を保たれました。この帝にあやかって悪病難病を封じ、健康に過ごそうと催されるのが笹酒祭りです。

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光仁会(大安寺)

年中行事

1月1日〜3日 修正会
1月23日 光仁会(癌封じ笹酒祭)8時〜
2月3日 節分会(開運星祭り)14時〜
3月 馬頭観音 特別御開帳
3月午の日 馬頭観音厄除け法要
3月彼岸7日間 春彼岸会
4月8日 仏生会
4月21日 正御影供(弘法大師)
5月7日 勤操忌
6月15日 青葉祭(弘法大師誕生法要)
6月23日 笹供養(癌封じ夏祭り)
8月1日〜15日 お盆聖霊会
9月彼岸7日間 秋彼岸会
10月〜11月 十一面観音 特別御開帳
11月2日 開山忌



近くのおすすめスポット

【元石清水八幡神社】

入唐した大安寺の僧侶が帰朝の途次に豊前宇佐八幡宮に参籠してその神影を奉戴、807年に大安寺東に鎮座したのが起源で、後に神殿を造営して遷座し、「石清水八幡宮」と号して大安寺の鎮守神としました。

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元石清水八幡神社

アクセス

<住所> 

<電話> 0742-61-6312

<拝観時間> 9:00〜17:00(受付は16時まで)

<拝観料> 大人400円(秘仏公開期間は100円増し)

<駐車場> 無料駐車場あり

<HP> http://www.daianji.or.jp/

電車・バスでお越しの方へ
JR奈良駅・近鉄奈良駅より
大安寺行・シャープ前行・白土町行
所要時間約10分大安寺バス停下車