新薬師寺





新薬師寺

伐折羅大将をはじめとする国宝・十二神将像で知られる華厳宗・新薬師寺です。創建された奈良時代には南都十大寺の1つに数えられる七堂伽藍が建ち並ぶ大寺院でした。4月の修二会は多くの人で賑わい春の訪れを感じさせます。また予約制ですが「香薬師堂」の拝観もできます。

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新薬師寺

歴史

本堂(国宝)

747年、光明皇后が夫・聖武天皇の病気平癒のため建立したのが新薬師寺です。現在の本堂は創建時は本堂ではなく、別の目的のお堂であったとされており、創建当初の金堂(本堂)は桁行九間(現在の本堂は桁行七間)の大きな建物でした。現在の堂内は薬師如来像と十二神将像を安置していますが、創建時の金堂内は善名称吉祥王如来、宝月智厳光音自在王如来、金色宝光妙行成就如来、無憂最勝吉祥如来、法海雷音如来、法海勝慧遊戯神通如来、薬師瑠璃光如来の七仏薬師像七軀の如来像それぞれに脇侍の菩薩像が二軀ずつ、そして十二神将像が祀られていました。

平安時代には落雷や台風被害により寺域は衰退し、鎌倉時代に一部復興されましたが、創建時の姿を取り戻すことはついに出来ませんでした。



薬師如来

薬師如来坐像(国宝)

木造 像高:191cm、平安時代

新薬師寺の本尊です。カヤの一木造りで大きな目が特徴の仏像です。初期の平安仏らしい堂々とした体躯で重厚感があります。創建時には七仏薬師像が安置されていましたが、現在では光背にある6体の薬師如来の小仏と合わせ、形は違えど今も七仏薬師像として存在しています。また光背の特徴として宝相華樹が大きな葉を翻らせ花を咲かせながら上に伸びています。

十二神将

伐折羅大将

造立時の伐折羅

十二神将像(国宝)塑像 奈良時代

新薬師寺と言えば十二神将像と言っても過言ではないほど有名な存在です。特に伐折羅大将像はその姿がカッコいいことから一番人気の仏像で、過去には切手にもなっています。新薬師寺の十二神将像は1体を除く11体が奈良時代の仏像で、160cm前後の人と変わらぬ大きさです。国内では最古で最大の十二神将像です。

十二神将像は薬師如来と日光・月光菩薩を守る武将で、1体に7000人の眷属(部下)を率いているといわれます。また十二の方角を守っていることから干支の守護神としても信仰され、後年の十二神将像には頭部に干支のそれぞれの動物が彫刻された仏像も多くあります。



香薬師

十二神将に次いで新薬師寺で有名なのはこの悲劇の仏像「香薬師如来立像」です。白鳳仏の代表作として知られた香薬師像ですが、昭和18年の盗難により現在も行方不明の仏像です。現在では右手のみ発見されています。盗難前に撮影や型取りをしていたため、レプリカを本堂にて安置しています。

像高:75cm、金銅製、白鳳時代

香薬師堂

香薬師堂とは前述の白鳳時代の金銅仏・香薬師如来立像を安置するお堂です。

現在香薬師堂に祀られているのは地蔵菩薩立像(国宝)です。近隣の地蔵堂から当寺に移されてきた地蔵尊で、平家残党の平景清の伝承にちなんで景清地蔵とも言われています。また景清地蔵の体内から裸形の地蔵尊が発見された非常に珍しい仏像です。

拝観は要予約。香薬師堂拝観者のみ購入可能なお守りあり



ステンドグラス

向かって本堂右手にある2mほどのステンドグラスです。普段はしまっていますが、お願いすると開いてくれます。約16年前、当時の住職がステンドグラスの美しさに感銘を受け、「心豊かな世紀」への願いを込めて設置されました。あまり知られていないので予備知識として知っておくと面白いです。

七佛薬師金堂跡出土品

奈良教育大学構内の新薬師寺旧境内発掘調査では七佛薬師金堂跡の南側から出土した瓦や奈良三彩、灯明皿など新薬師寺庫裡にて展示されています。



修二会

4月8日に行われる新薬師寺最大の行事がこの修二会です。東大寺二月堂と同様に燃え盛るお松明が10本籠松明が1本、僧侶を先導して本堂の周囲を回ります。本堂にて法要が営まれます。至近距離からお松明を見ることができるので迫力満点です。

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修二会(新薬師寺)

初薬師

毎年1月8日に初薬師(修正会)が行われます。初薬師とは、新年はじめての薬師の縁日で、薬師は薬師瑠璃光如来の略称であり、病を癒すといわれ、信仰されています。新薬師寺では修正会も兼ねており、本尊薬師如来に全ての人々の罪を悔い改める薬師悔過法要が営まれます。

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初薬師(新薬師寺)

近くのおすすめスポット

【不空院】

新薬師寺のすぐ近くにある不空院は重文・不空羂索観音像を本尊とする真言律宗の寺院です。東大寺法華堂興福寺南円堂の不空羂索観音像と並び「三不空羂索観音」と称されます。公開日を除き普段は予約拝観となっています。

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不空院

【春日大社】

世界遺産の神社で、平城京の守護と国民の繁栄を祈願する為に創建され藤原氏の氏神を祀ります。全国に約1000社ある春日神社の総本社であり、主祭神:武甕槌命が白鹿に乗ってきたとされることから、鹿を神使としています。

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春日大社



アクセス

<住所> 奈良県奈良市高畑町1352

<電話> 0742-22-3736

<拝観時間> 9:00〜17:00

<拝観料> 600円(香薬師堂拝観は+300円)

<駐車場>無料駐車場あり



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