岩船寺



岩船寺

奈良県と京都府の県境にある南山城にある寺院で、紫陽花寺として知られます。南山城の地域は南都仏教の聖地として奈良文化の影響を強く受けています。境内の三重塔や本尊阿弥陀如来像は重要文化財に指定されています。

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岩船寺

歴史

本堂(重要文化財)

寺伝によると、729年に聖武天皇が夢想によって奈良市東鳴川町の善根寺に籠居していた行基に一宇の阿弥陀堂を建立させ、のちに弘法大師とその甥である智泉大徳が伝法灌頂を修し灌頂堂として新たに報恩院を建立したのが草創の始まりとされています。弘安2年に至って鳴川山寺の東禅院潅頂堂を岩船に移し、同8年に供養したといわれていますが定かではありません。

鎌倉時代から江戸末期までの当尾地域は、岩船寺・浄瑠璃寺ともに興福寺一乗院の直末寺でしたが、明治に入ると廃仏毀釈により本山である興福寺が相当な混乱時期に入り、岩船寺は無住となっていましたが、1881年に真言律宗・西大寺の末寺となり現在に至ります。


阿弥陀如来像

阿弥陀如来坐像(重要文化財)

欅の一木造り 像高:284cm 藤原時代初期

岩船寺の本尊で一般的に丈六仏と言われるサイズの仏像です。見た目の雰囲気から定朝様にも見えますが、丸みのある体に大きめの白毫と螺髪など独特の特徴があり、他に例をみない奈良時代と平安時代の間にある仏像と言えます。

本尊の四隅には、寄木造彩色の持国天・増長天・広目天・多聞天の四天王立像(京都府指定文化財)が安置されています。

普賢菩薩像

普賢菩薩騎象像(重要文化財)

一木造り 像高:39.cm 平安時代末期

現在は本堂内本尊脇に安置されていますが、元来は三重塔内部に納められていました。像高40cmほどのとても小さい仏像です。女性的な姿の当時代を代表する優品で知られます。この像は、法華経に説かれる六本の牙を持つ白象に乗る普賢菩薩で、法華経を信じる者を護持するといわれています。

下の象は後世に補修されたものです。

三重塔

三重塔(重要文化財)高さ:17.56m、室町時代

寺伝によると智泉大徳入滅のあと十年が過ぎて、承和年間(834~847年)に仁明天皇が智泉の遺徳を偲んで宝塔を建立したと伝わすが、昭和十八年(1943年)の解体修理の際に丸桁に刻まれている「嘉吉二年(1442年)五月廿日」の銘文が発見され、寺伝でも承久三年(1221年)の承久の乱で兵火を被ったとの記録があることから、現存する塔は室町時代の建立とも考えられています。仏塔古寺十八尊霊場の一つでもあります。


紫陽花の寺

関西花の寺霊場の一つである岩船寺は紫陽花の寺として有名です。境内一面が紫陽花に彩られ多くの人が参詣します。

白山神社・春日神社

岩船寺のすぐ横に鎮座しています。かつては鎮守社であったといわれています。社殿は重要文化財に指定されています。併設する春日神社は、江戸時代に白山神社にならって復古的に造立されたものです。

10月に行われる五穀豊穰の感謝の踊り「おかげ踊り」は京都府登録無形民族文化財指定されています。

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【浄瑠璃寺】

詳しい創建年は不明ですが、一説には行基によって開基された説や、永承2年(1047年)に義明上人が薬師如来を本尊として小さな堂を建てたのが浄瑠璃寺の始まりとする説があります。本尊・国宝「九体佛」が当時のまま現存するのはこの浄瑠璃寺だけです。また秘仏ではありますが吉祥天・薬師如来像も有名です。

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浄瑠璃寺

【般若寺】

奈良県でコスモスと聞くとまず多くの人が般若寺と答えるほどコスモスが有名な寺院です。シンボルは境内ほぼ中央にある十三重の石塔。また春と秋には秘仏公開も行われるのでそちらも注目です。

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般若寺



アクセス

<住所> 

<電話> 0774-76-3390

<拝観料> 大人500円

<拝観時間>
3月~11月 8:30~17:00(受付は16:45まで)
12月~2月 9:00~16:00(受付は15:45まで)

<駐車場> 民営駐車場あり

電車・バスでお越しの場合
JR 関西本線(大和路線)加茂駅から木津川市コミュニティバス(加茂山の家行き)「岩船寺」下車すぐ
近鉄奈良駅、JR奈良から駅奈良交通バス(浄瑠璃寺行き)で約26分、「浄瑠璃寺」下車。 木津川市コミュニティバス(JR 加茂駅行き)に乗り換え約7分、「岩船寺」下車すぐ



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