定林寺
定林寺
廣瀬大社の西側・城山古墳の北側にある寺院で、廣瀬大社に伝わる『和州廣瀬郡廣瀬大明神之圖』には「定林寺」が描かれています。現在の定林寺の本堂は江戸時代初期の建築で創建時とは異なる場所に建立されており、当初は現在地より南約400メートルの宮堂遺跡ではないかと考えられます。
2月11日は予約不要で誰でも拝観できますが、他の日に拝観を希望される方は、事前に河合町生涯学習課まで連絡してください。
堂内の様子
堂内には多数の仏像を安置しており、仏像の倉庫とも言えるような状態です。中には平安時代の仏像などかなり古いものもあります。
【阿弥陀如来像】
阿弥陀如来坐像 河合町指定文化財
銅鋳造 像高17.3cm、平安時代後期
平安時代後期では遺例の極めて少ない鋳造仏です。火を受けたために像容に変形を生じ、左膝部は大きく上方にゆがんでいますが、穏やかな面影、抑揚をひかえた体軀の造形、柔らかな並行曲線を畳む衣文の構成など、平安時代後期の彫刻の特色をよく示しています。
【地蔵菩薩像】
地蔵菩薩立像 河合町指定文化財
サクラ材一木造 像高92.1cm、台座総高 27.0cm 平安時代
両耳垂不貫。三道表出。右手を下げ、現状で大頭二指を捻り、余指をやや屈して、錫杖をついています。左は屈臂し、掌を上向けて五指を伸ばし宝珠をとり、腰を僅かに左に捻り左を軸足とし、右脚の力をゆるめて蓮華座上に立っています。両手先、両足先、持物の錫杖・宝珠ともに後の時代に補ったものです。平成9年度に修理を行っています。
【十一面観音像】
木造十一面観音立像 河合町指定文化財
カヤ材 像高117.5cm、台座総高 16.0cm 平安時代
腰の捻りをきかせた充実した体躯の造形、優しいお顔と体躯の動きに合わせた柔らかな衣文の構成など、典型的な平安時代中期の特色を備えており、定林寺の中で最大の仏像です。状態は決して良いとは言えませんが、ごく僅かに彩色が残っています。頭上面いずれも鎌倉時代の補作され、両手先、両足先鎌倉時代後補です。
【不動明王像】
不動明王立像 河合町指定文化財
ヒノキ材一木 像高92.5cm、室町時代初期
定林寺内における指定文化財の中で最も新しい仏像です。その為保存状態が比較的良好で、特に光背はの色彩はよく残ります。両耳前で面相部を割り矧ぎ、玉眼を嵌入しています。左耳前の弁髪垂下部別材矧ぎ付けています。右腕は肩、肘、手首で各々矧ぎ付け、左腕は肩、手首で矧ぎ付けています。
涅槃図特別公開
2月11日は涅槃図が特別公開され、普段は予約拝観の寺院ですが、この日だけ予約不要で拝観ができます。また、ボランティアガイドの方が詳しく説明してくださります。通常涅槃図は2月15日に公開するのが通例ですが、定林寺では砂かけ祭が行われる2月11日に公開しています。
砂かけ祭についてはこちら↓↓
近くのおすすめスポット
【廣瀬大社】
風神の龍田大社と廣瀬大社はよくセットで名前があがる広陵町に鎮座する古社です。砂かけ祭や菖蒲の美しさで特に有名です。富雄川や大和川などの合流地点のほど近くにあることから水神として古くから信仰されています。定林寺から徒歩数分の距離にあります。
詳しくはこちら↓↓
アクセス
<住所> 奈良県北葛城郡河合町池部2丁目13番地1
<電話> 0745-57-2271(生涯学習課)
<駐車場> なし
電車とバスをご利用の場合
JR大和路線:法隆寺駅下車 タクシー10分、徒歩30分