添御県坐神社(歌姫町)
添御県坐神社
平城宮跡から1kmほどにある添御県坐神社(そうのみあがたにいます)です。富雄にも添御県坐神社があり、そちらの方が有名で、当社はあまり知られていません。しかし延喜式をはじめ古書に記載されているなど都にほど近い場所に鎮座した、由緒ある神社です。
歴史・御祭神
詳しい創建年は不明ですが、延喜式に記載されていることから平安時代以前に創建されたことは判明しています。また当社の場所が大和平野中央を貫く道の北端に位置することから、諸国へ旅をする際に、国境に鎮座する手向けの神として信仰されてきました。農の神、旅の神として信仰されてきた当社ですが、江戸時代には「八王子社」として除災の神としても信仰されました。
また万葉集に長屋王の詠んだ歌つぎの歌があります。「佐保過ぎて奈良の手向に置く幣は 妹を目離れず相見しめとそ」この歌は大和と山城の国境にある当社を参拝した際に詠んだものだと考えられています。
【御祭神】速須佐之男命、櫛稲田姫命、武乳速命
境内の様子
境内には弁財天跡や鯉の泳ぐ池があります。前述の長屋王の詠んだ歌の歌碑の他に、菅原道真の詠んだ「このたびは、幣も取りあへず手向山 紅葉の錦神のまにまに」の歌碑もあります。また境内には藤棚があり、4月下旬〜5月上旬にかけて見頃を迎えます。
石灯籠と拝殿
弁財天跡
長屋王歌碑
菅原道真歌碑
池
藤
年中行事
1月1日 | 元旦祭 |
3月10日 | 春の大祭 |
8月21日 | 雨喜祭(雨よろこび) |
10月10日 | 秋祭 |
11月28日 | 秋の大祭 |
毎月1日 | 月次祭 |
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【大極殿】
大極殿とは古代の都における中心施設で、天皇即位など国家儀式の際に天皇が出御される場所です。大極殿は当時の最先端であった中国の唐の長安城大明宮にある含元殿をモデルに造られたとされています。
詳しくはこちら→大極殿
アクセス
<住所> 奈良県奈良市歌姫町999
<駐車場> なし
電車・バスでお越しの場合
近鉄大和西大寺駅から「歌姫町」行き乗車、終点「歌姫町」下車、北に徒歩3分
JR奈良駅西口、近鉄奈良駅から「大和西大寺駅」行き乗車、「佐紀町」下車、徒歩15分