大安寺のすべて -天平のみほとけと祈り-



大安寺のすべて -天平のみほとけと祈り-

大安寺は東大寺や興福寺などとともに南都七大寺の1つに数えられ、その中でも筆頭寺院としての格を有した、文字通り国内最高峰の寺院です。菩提僊那、空海、最澄など1,000人にも及ぼうかという国内外の僧侶たちがここに集い、後に諸方面で活躍しました。

本展では、まさに時代をリードする大寺院であった大安寺の歴史を、寺宝、関連作品、発掘調査成果など様々な角度からご紹介します。

会期

会期:令和4年(2022)4月23日(土)~6月19日(日)
前期:4月23日(土)~5月22日(日)
後期:5月24日(火)~6月19日(日)

休館日:毎週月曜日※ただし5月2日(月)は開館

拝観時間:9時30分~17時(4月29日(金)~5月7日(土)は19時まで)



大安寺について

奈良市にある大安寺は、「南都七大寺」の一つに数えられる寺院です。創建当時は官大寺の筆頭として道慈律師によって整えられた大伽藍は壮麗を極め、887人の学呂が居住する仏教の総合大学でした。現在では癌封じの寺として知られ毎日多くの人が御祈祷に訪れています。

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大安寺

主な出陳物

主な出陳品です。※画像・文章の一部は奈良国立博物館より引用

【十一面観音立像】重要文化財

十一面観音立像(重要文化財)

一木造 像高190.5cm 製作年代:奈良時代

大安寺本堂の秘仏本尊です。奈良時代の作ではありますが、頭部や腕など後補されており大安寺の所有する他の仏像同様に保存状態はあまりよくはありません。しかし奈良時代の十一面観音像の特徴でもある190cmにもなる大きさ、肉付きのよい体部と柔らかい条帛裳の流れ、そして天衣の見事な表現はこの像の優美さをよく引き立てています。

【馬頭観音立像】重要文化財

馬頭観音立像(重要文化財)

一木造 像高173.5cm 製作年代:奈良時代

普段は嘶堂に安置される秘仏です。こちらも十一面観音像やその他の仏像同様に保存状態があまり良くはなく、後補部分が多い仏像です。一般に馬頭観音様は、頭上に馬頭をいただく忿怒の形相ですが、この尊像にはその馬頭がありません。かわりに胸飾りの瓔珞(装身具)と足首に蛇が巻きつき、腰には獣皮をまとっている極めて珍しい姿です。儀軌以前の古像で、馬頭観音の原初の姿とも考えられる貴重な仏像です。

【伝楊柳観音立像】重要文化財

奈良時代(8世紀)
奈良・大安寺蔵

本尊の十一面観音立像と作風の類似が指摘されます。顔は怒りの表情だが着衣などは菩薩形(ぼさつぎょう)で、当初の尊名(そんめい)は不明。奈良時代に伝えられた初期の密教尊像(みっきょうそんぞう)である可能性があります。

【陶枕(とうちん)】(大安寺旧境内出土)

中国・唐(8世紀)奈良文化財研究所

大安寺の造営に関わった僧・道慈(どうじ)が唐から多数持ち帰ったとされる唐三彩(とうさんさい)です。宝相華文(ほうそうげもん)などを型で押した後、三色の釉薬(ゆうやく)で色を付けています。唐三彩を模倣した国産の陶枕も作られました。



なら仏像館

なら仏像館は、飛鳥時代から鎌倉時代にいたる日本の仏像を中心に、国宝、重要文化財を含む常時100体近くの仏像を展示する、国内の博物館では、もっとも充実した仏像の展示施設です。

金剛力士立像(重要文化財)金峯山寺

木造 像高(阿形)505.8cm(吽形)506.2cm 南北朝時代

吉野町にある金峯山寺仁王門(国宝)に安置されていた仁王像です。仁王門は現在大規模な修理が行われており、しばらくの間は当館にて展示されます。東大寺南大門の仁王像に次大きさで、館内だからこそ感じる迫力は圧巻です。

※金剛力士像のみ撮影可



青銅器館

なら仏像館と渡り廊下でつながれた、青銅器館(坂本コレクション)は、昭和12年(1937)に当館の収蔵庫として建設されました。坂本コレクションとは古美術商店「不言堂」の初代社長で、古美術品の蒐集家・坂本五郎より寄贈された中国古代の青銅器380余点のコレクションです。

令和元年10月8日より青銅器館内の撮影が可能になりました。(他の館内は撮影不可)

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中国古代青銅器(奈良国立博物館)



アクセス

<住所> 奈良県奈良市登大路町50番地

<電話> 050-5542-8600

<駐車場> 周辺に民間の駐車場あり

自動車をご利用の場合
名古屋方面から
西名阪自動車道・天理I.C.から国道169号線を北へ約15分。

大阪方面から
第二阪奈道路・宝来I.C.から国道369号線を東へ県庁を越えて約1分。
西名阪自動車道・天理I.C.から国道169号線を北へ約15分。

京都方面から
京奈和自動車道・木津I.C.から国道24号線を南へ、国道369号線を東へ約1分。

電車をご利用の場合
近鉄奈良駅下車 登大路を東へ徒歩約15分
JR奈良駅または近鉄奈良駅から市内循環バス外回り「氷室神社・国立博物館」バス停下車すぐ



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