喜光寺


行基菩薩ゆかりの寺として知られる喜光寺です。古くは「菅原寺」と呼ばれていましたが、748年に聖武天皇より「喜光寺」の寺号を賜りました。神仏分離が行われた明治頃には荒廃していましたが、「いろは写経」などの写経による勧進を発願して南大門が再建されました。

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喜光寺

喜光寺の歴史


721年に行基菩薩は、この地に住んでいた寺史乙丸という人物から平城京右京三条三坊の土地の寄進を受けられ、翌年にお寺を建てました。これが喜光寺です。行基菩薩は土地の名前から「菅原寺」と名づけられました。菅原寺(喜光寺)は、行基菩薩の建立されたお寺のなかで唯一平城京内にあり、行基菩薩の布教活動・社会事業の重要な拠点寺院となっていったのです。748年に聖武天皇より「喜光寺」の寺号を賜りました。「菅原寺」の扁額は今も本堂に掛けられており、当時を思わせます。

本尊:阿弥陀如来像

阿弥陀如来坐像(重要文化財)

木造 座高2.33m 制作年代:平安時代

現在の喜光寺御本尊:阿弥陀如来坐像です。創建時の御本尊は諸説あり定かではありません。その表情や衣の様子から平安時代の名仏師:定朝の作風(平等院:本尊など)を思わせる「定朝様式」の仏像です。光背は大きく破損していますが、金箔の一部は残っており、間近にその様子を見ることができます。

⚠️令和元年9月より解体修理にお出ましになります。



試みの大仏殿


本堂(重要文化財)室町時代

行基菩薩は東大寺造営に当たり、喜光寺の本堂を参考にされたという伝承から「試みの大仏殿」とよばれています。行基菩薩が寺史乙丸から寄進された場所が現在の本堂の場所であると伝わります。奈良時代の本堂(金堂)は明応8年(1499)に焼失し、天文13年(1544)に再建されました。縮小しての再建ではありますが、高さ17mあります。南側一間を吹きとおしにしている「南庇(なんぴ)」や「裳階(もこし)」といった建築技法は奈良時代を意識した復古建築の粋というにふさわしい建物です。一方で、上層の四方には連子窓をつくり、光を取りこむという新しい技法を用いています。

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大仏殿

行基菩薩

行基菩薩により創建され、また行基菩薩が亡くなられたのもこの喜光寺と伝えられており、喜光寺は行基菩薩のつながりが非常に強い寺院です。行基菩薩開基の四十九院で唯一平城京のなかに造られたのがここ喜光寺であり、布教の拠点になった寺院でした。そして東大寺造立の際もここから通われており、大仏殿は喜光寺の本堂を参考にされたという伝承から「試みの大仏殿」とよばれており、いかに喜光寺の存在が大きかったかを物語っています。 喜光寺では本堂の裏手に「行基堂」があり、行基菩薩坐像が安置されています。

秘仏・宇賀神

弁天堂の御神体である宇賀神像は、普段は厨子の中におられますが、正月や夏など定期的にご開帳されます。寺伝によると、鎌倉時代に西大寺中興の祖である興正菩薩叡尊が、江ノ島より勧請したと伝えられています。

宇賀神は「人頭蛇身」の姿で、髭をたくわえた翁の顔をしています。また弁財天と同一体であり、智慧や福徳、技芸や学問、財宝のご利益があるとされています。



蓮の御寺

ロータスロードの4ヶ寺の一つとして蓮にはかなり力を入れており、境内には約80種250鉢の蓮が咲いています。特に本堂左手には多くの蓮が咲き誇り品種の多さからも約2ヶ月に渡り開花を楽しめます。2018年・2019年には珍しい1茎に2花咲く「双頭蓮」が咲きました。

開花時期:6月中旬~8月上旬(早朝がオススメ)

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ロータスロード 2023

いろは写経

「いろは写経」は、いろは歌を中心とした200文字たらずのお写経です。かな文字が多いので、お子様でも写しやすく、また単純なだけに心が文字に写し出されるお写経です。
喜光寺では、写経道場を完備しています。また、ご自宅でお写しいただくことも可能です。お納めいただいたお写経は、南大門に永代にお祀りしています。

納経料:2,000円(拝観料を含む)

過去の秘仏公開

奈良大学で解体修理されていた四天王像から墨書が発見され、菅原寺(喜光寺)に安置された仏像であると判明し、2019年に特別公開が行われました。約150年ぶりの里帰り公開となり、大変貴重な機会でした。※堂内は撮影可能

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四天王像特別公開(喜光寺)



近くのおすすめスポット

【一乗院宮墓地】

喜光寺の境内にある一乗院宮墓地です。五輪塔と宝篋印塔の、混在型の変形宝筺印塔形が4基建ちます。古墳ではなく江戸時代の墓地です。被葬者は4人の合同墓地であり、東大寺境内にも一乗院墓地があります。

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一乗院宮墓地(喜光寺)

【菅原天満宮】

日本最古の天満宮とされる菅原天満宮です。街中にひっそりと佇んでいる古社は菅原道真公の神徳にあやかり、学徳成就の祈願は言うまでもなく、文筆にいそしむ人々の信仰も厚く、境内には珍しい「筆塚」があります。

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菅原天満宮



アクセス

<住所> 奈良市菅原町508

<電話> 0742-45-4630

<入山時間>
通常 9:00~16:00
※蓮の開花時期の7月中の土日・祝日は7:00~16:30
※最終受付は16:00

<駐車場> 無料駐車場あり

<HP> https://kikouji.com

自動車をご利用の場合
《 大 阪 方 面より》 第二阪奈道 宝来インター出口をすすみ、阪奈道路バイパスの下、菅原交差点を左折してすぐ。

《 京 都 方 面より》 京奈和道路 木津インター出口をおり、国道24号線をすすみ、右折して県道1号線(阪奈道路)をすすみ、菅原交差点を右折してすぐ。

電車をご利用の場合
近鉄橿原線 尼ヶ辻駅より徒歩10分
近鉄奈良線 大和西大寺駅より徒歩20分