明日香村の石造物
明日香村には多くの石造物があり、観光名所としても大変有名です。しかし、なぜ作られたのか、誰が作ったのはなどそのほとんどが不明です。今回はそんなミステリアスな石造物を紹介します。
亀石
長さ3.6メートル、幅2.1メートル、高さ1.8メートルの巨大な花崗岩の自然石に、亀に似た彫刻がほどこされています。 亀石は、以前は東向、現在は南西を向いていますが、西の方を向いたとき、大和一円やは泥の海と化す、という伝説があります。
<住所>
奈良県高市郡明日香村川原108
猿石
吉備姫王墓内にある奇石で全部で4体あります。ユニークな人面石像ですが、猿ではなく渡来人を象ったものであるといわれています。制作年代や作られた目的は不明です。
<住所>
奈良県高市郡明日香村平田
亀形石造物
全長約2.4メートル、全幅2メートル、小判形石造物から流れ出た水が、亀の鼻を通り、背中の水槽に水をためる仕組みになっています。現在は斉明天皇(皇極天皇)の祭祀に関わる遺跡と考えられています。
<文化財協力金>
大人300円 子供100円
<住所>
奈良県高市郡明日香村飛鳥10(奈良県立万葉文化館の近く)
酒船石
長方形に近い形の花崗岩でできており、平らに加工された表面には、円、隅丸方形、楕円の窪みが彫られ、それらを直線で溝が結ぶ不思議な模様があります。酒造りに用いたと伝わることからこの名が付きましたが、用途は不明です。
<住所>
奈良県高市郡明日香村岡
二面石
橘寺境内にある石造物です。善面と悪面2つの顔をもつ石造物です。その姿形から猿石と同じ場所から掘り出されたと考えられています。無垢な顔つきの善面と、大きくゆがめられた悪面の対比が目を引きます。
橘寺についてはこちら→橘寺
<住所>
奈良県高市郡明日香村橘532
<拝観料>
一般350円
益田岩舟
大きさは東西約11メートル、南北約8メートル、高さ約4.7メートル。重さは約800トンもあるという説もあり、上部には一辺約1.6メートル、深さ約1.2メートルの穴が空けられています。誰が、何のために作ったのか、文献など残っておらず全くの不明です。こちらは明日香村ではなく橿原市にあります。
<住所>
奈良県橿原市白橿町8丁目20−1
須弥山石
飛鳥の石神遺跡から明治時代に出土したものです。全体の構造が噴水施設になっており、庭園用の石造物であると推定されています。現在は飛鳥資料館に展示されています。
飛鳥資料館についてはこちら→飛鳥資料館
石人像
須弥山石とともに発掘されたもので、同様に古代の噴水施設とされています。盃を口にあてた男性に女性が寄り添う形をしています。
飛鳥資料館についてはこちら→飛鳥資料館