永豊寺

天空の国と呼ばれる天川村に優しい表情をした平安時代の仏像が3体祀られています。ゆったりとしたこの地にぴったりの3体の仏像は栃尾観音堂の円空仏、光流寺の阿弥陀如来像と並ぶ天川村西エリア「秘仏三尊像」の一つです。また年越しの除夜の鐘には村民だけでなく県外からも多くの人が鐘を突きに来る人気の寺院でもあります。

本堂

欄間に彫られた十二神将

現在は浄土真宗に属しており、本尊は阿弥陀如来像の永豊寺ですが、かつては曹洞宗でした。その名残として本堂の欄間に十二神将が彫られています。画像はその一部で、4つの欄間にそれぞれ3体ずついます。本来は薬師如来を守護する十二神将ですが、宗派が変わり現在は阿弥陀如来を本尊を守護する珍しい十二神将像です。




収蔵庫


収蔵庫内に安置されている仏像は釈迦如来・多聞天・広目天(共に県指定文化財)の3体と近くの伊波多神社から預かっている八幡大菩薩の計4体です。寺伝によると、昔和田に檜の大木があったそうです。ある樵がそのヒノキの大木を切る事になり仕事にかかったのですが、あまりにもその木が太かったのでその日のうちに切る事ができず、翌日切る事にしたそうです。翌日その大木の場所に行ってみると、不思議な事に昨日切った大木の切り口は元に戻っていたそうです。そんな事が7日間も続いたので、樵は考えた末、大木にむかって「無事に切らせていただきましたならば、釈迦如来・多聞天・広目天の3体の仏像を彫り,お堂を建ててお祀りします。」と祈願をかけました。その願いはかない、無事に切る事が出来たといいます。特に拝観に予約は要らないとの事でしたが、一応事前予約されることをおすすめします。

木造 伝釈迦如来坐像

一木割り矧ぎ造り 制作年代:平安時代後期

永豊寺に伝来した伝釈迦如来坐像です。ヒノキ材の一木割り矧ぎ造りで内刳りを施します。ずんぐりとした体躯の把握や構造に古様を留めていますが、おぼろげな目鼻を刻んで穏和な相貌を表しており、製作は11世紀後半ごろと推定されています。

頭のサイズに比べて体は小さく作られ一見アンバランスな仏像に見えますが、そのアンバランスさこそが優しさを表している印象を受けました。




広目天像

多聞天像

木造 二天立像(広目天・多聞天)

ヒノキ材 製作年代:平安時代後期

伝釈迦如来坐像とともに伝来した二天像の1躯で、寺伝では広目天と多聞天とされています。ヒノキの一材から彫成され、内刳りはほどこされてはいません。ずんぐりとした姿勢、癖のある相貌は釈迦如来坐像と共通しており、同時期の作品と推測されています。

八幡大菩薩像

近所にある伊波多神社から預かっている仏像です。収蔵庫ができてからこちらで保管するようになったとのことで、台風など自然災害が発生した際に収蔵庫なら安全だと考えこちらに安置されるようになりました。



近くのおすすめスポット

【栃尾観音堂】

栃尾観音堂といえばやはり見るもの全てを虜にする円空仏で有名です。天の川沿いにひっそりとしたお堂に祀られています。無住の寺院ですが、地元に人たちによって管理されており、普段から拝観することができます。堂内には多くの有名人の色紙などが飾られており、栃尾観音堂がいかに信仰されているかが伺えます。

詳しくはこちら→栃尾観音堂

アクセス

<住所> 奈良県吉野郡天川村和田436

<電話> 0747-65-0057

<駐車場> 駐車場なし(路肩に駐車しました)

<拝観料> 志納

電車・バスをご利用の場合

近鉄下市口駅からバスで 中庵住行き『中和田』下車すぐ(本数に注意)