率川神社
奈良市最古の神社である率川神社は「三枝祭(ゆり祭り)」が特に有名です(後述)。日本最古の神社として名高い大神神社(桜井市)の境外摂社として創建された歴史があります。
平城遷都する前からこの地を御守りしてきた率川神社の魅力に迫ります。
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率川神社の歴史
大神神社の摂社である率川神社の創建は、593年大三輪君白堤が勅命によっておまつり申し上げた奈良市最古の神社です。御祭神の媛蹈韛五十鈴姫命は、初代神武天皇の皇后様で、ご聡明にして、よく内助の功をおたてになりました。全国の神社の中で皇后様を主祭神とした神社は数えるほどしかありません。また後述していますが、親子を御祭神として祀っていることから古くより「子守明神」と篤く信仰されています。
御祭神
御祭神は向かって左社殿が「狭井大神(父神)」、中殿が「媛蹈韛五十鈴姫命(御子神)」、向かって右社殿が「玉櫛姫命(御母神)」とお子様とその両親の三柱をお祀りしています。
媛蹈韛五十鈴姫命は初代神武天皇の皇后様です。父神の狭井大神は生活全般の守護神であり、福寿の神である大神神社の大物主大神と同じ神様であり、媛蹈韛五十鈴姫命が大物主大神のお子様にあたられることから、率川坐大神御子大神社の名で「延喜式」にも記載されています。
御祭神:媛蹈韛五十鈴姫命(御子神)、狭井大神(父神)、玉櫛姫命(御母神)
摂社・率川阿波神社
御祭神:事代主神
社伝によれば光仁天皇の宝亀年間(770~780)に藤原是公が創祀したとされます。かつては奈良市西城戸町に鎮座していましたがその後衰退し、明治には小祠を残すのみとなりました。その後、大正9年に率川神社の境内に社殿を建立し昭和34年の率川神社境内整備に伴い末社の春日社・住吉社と共に現在の位置に遷座となりました。
奈良市最古の恵比寿神社として毎年1月4日・5日の初戎祭では多くの人で賑わいます。
境内の様子
【かえる石】
拝殿の正面にあるこの石は、その形状から「蛙石(かえる石)」と呼ばれています。また「カエル」という言葉から、「お金がかえる」「幸せがかえる」「若かえる」 「無事かえる」などにつながり縁起が良いとされ、健康回復・旅行安全などを願って この石を撫でることから「撫で蛙」とも呼ばれ、親しまれています。
いつから境内に存在しているのかは不明です。
【遥拝所】
本社大神神社をはるかに拝む遥拝所です。正面上部には三輪山を描いた陶板画をはめ込んでいます。この絵は大神神社に収蔵する平山郁夫画伯作の「神の山 三輪山の月」(平成11年奉納)です。
奈良の地より、大神神社の御神体である三輪山に思いを馳せて遥拝できるようになっています。
三枝祭(ゆり祭り)
率川神社HPより引用
率川神社最大の行事である「三枝祭」は「ゆり祭」として親しまれています。三枝祭の歴史は古く、701年制定の「大宝令」には既に国家の祭祀として規定されており、大神神社で行われる鎮花祭と共に疫病を鎮めることを祈る歴史あるお祭りです。
平安時代には宮中からの使いが御供えの幣物や神馬を献上するなど、非常に丁重な祭祀が行われましたが、後世いつの間にか中絶していたのを明治に復興され、現在に及んでいます。
【三枝祭の日程】
宵宮祭 6月16日 15時斎行
例祭日 6月17日 10時30分斎行
後宴祭 6月18日 10時斎行
年中行事
1月1日 0時45分〜 | 歳旦祭併御神火拝戴祭 |
1月4日 15時〜 | 初戎宵宮祭 |
1月5日 10時半〜 | 率川阿波神社初戎祭 |
2月17日 11時〜 | 月次祭併祈年祭 |
6月16〜18日 | 三枝祭 |
6月30日 | 夏越しの大祓 |
9月17日 11時〜 | 月次祭併敬老祭 |
11月23日 11時〜 | 新嘗祭 |
近くのおすすめスポット
【伝香寺】
当社の隣にある伝香寺は鑑真和上の弟子である思託律師が771年に開創しました。1585年に戦国武将の筒井順慶の母である芳秀宗英尼が順慶の菩提を弔うために再興した歴史ある寺院です。奈良三名椿として知られる散り椿は有名です。
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【漢國神社】
当社から200mほどにある漢國神社は593年に創建創建された古社です。境内には日本唯一の饅頭の社「林神社」があり、4月19日の饅頭まつりでは饅頭が振る舞われます。
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アクセス
<住所> 奈良市本子守町18番地
<電話> 0742-22-0832
<拝観時間> 9:00〜16:30
<HP> https://isagawa-jinja.jp/
<駐車場> 無料駐車場あり(境内)
電車とバスをご利用の場合
近鉄奈良駅(4番出口)から徒歩7分
JR奈良駅から徒歩7分