石上神宮

国宝・七支刀で知られ、記紀(古事記・日本書紀)にも登場する国内有数の古社です。『日本書紀』に記された「神宮」 は伊勢神宮と石上神宮だけであり、その記述によれば日本最古設立の神宮としても知られます。また石上神宮は本来、本殿は存在せず、拝殿の禁足地を「布留高庭」「御本地」などと称して祀っています。

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由緒

楼門(重要文化財)

当神宮は、日本最古の神社の一つで、物部氏の総氏神として、ヤマト政権の武器庫としての役割も果たしてきたと考えられています。古くより健康長寿・病気平癒・除災招福・百事成就の守護神として信仰されてきました。
総称して石上大神と仰がれる御祭神は、第10代崇神天皇7年に現地、石上布留(ふる)の高庭(たかにわ)に祀られました。古典には「石上神宮」「石上振神宮(いそのかみふるじんぐう)」「石上坐布都御魂神社(いそのかみにますふつのみたまじんじゃ)」等と記され、この他「石上社」「布留社」とも呼ばれていました。

平安時代後期、白河天皇は当神宮を殊に崇敬され、現在の拝殿(国宝)は天皇が宮中の神嘉殿(しんかでん)を寄進されたものと伝えています。

中世には興福寺と度々抗争をしており、戦国時代に織田軍により当神宮は衰退しました。しかし民衆の厚い信仰により明治時代には官幣大社に列し、神宮号復称が許され再興します。

当神宮にはかつては本殿がなく、拝殿後方の禁足地を御本地と称し、その中央に主祭神が埋斎され、諸神は拝殿に配祀されていました。明治7年菅政友(かんまさとも)大宮司により禁足地が発掘され、御神体の出御を仰ぎ、大正2年御本殿が造営されました。

禁足地は現在も「布留社」と刻まれた剣先状石瑞垣で囲まれ、昔の佇まいを残しています。

御祭神

拝殿

主祭神

布都御魂大神・・・当神宮の主祭神で、国土平定に偉功をたてられた神剣「韴霊(ふつのみたま)」に宿られる御霊威を称えて布都御魂大神(ふつのみたまのおおかみ)と申し上げます。
韴霊とは、古事記・日本書紀に見える国譲りの神話に登場される武甕雷神(春日大社御祭神)がお持ちになられていた剣です。

布留御魂大神・・・天璽十種瑞宝(あまつしるしとくさのみづのたから)に宿られる御霊威を称えて布留御魂大神と申し上げます。天璽十種瑞宝とは、饒速日命(にぎはやひのみこと)が天津神(あまつかみ)から授けられた十種の神宝で、それらには〝亡くなられた人をも蘇らす〟というお力が秘められておりました。

布都斯魂大神・・・記紀神話に見える、素戔嗚尊が出雲国(島根県)で八岐大蛇を退治されるのに用いられた天十握剣(あめのとつかのつるぎ)に宿られる御霊威を称えて布都斯魂大神と申し上げます。

配祀神

宇摩志麻治命・・・饒速日命の御子で、当神宮祭主物部氏の祖神と仰がれています。

五十瓊敷命・・・第11代垂仁天皇の皇子で、第12代景行天皇の御兄にあたられ、当神宮の神庫(ほくら)の管理を掌られました。

白河天皇・・・第72代の天皇

市川臣命・・・第5代孝昭天皇の皇子の後裔、米餅搗大使主命(たがねつきおおおみのみこと)の御子です。


国宝:七支刀

当神宮の神庫(ほくら)に伝世した古代の遺品で、社伝では「六叉鉾(ろくさのほこ)」 と称されてきましたが、現在では刀身に記された銘文により「七支刀」と称しています。製作年については、現在の銘文解釈によると西暦369年と考えられています。この七支刀は『日本書紀』に神功皇后摂政52年に百済から献上されたとみえる「七枝刀」にあたると推測されています。

剣身の棟には表裏合わせて60余字の銘文が金象嵌で表わされており、その解読が明治以降続けられ、現在では大体次の様に解釈されています。

(表面) 泰□四年(□□)月十六日丙午正陽造百練釦七支刀□辟百兵供供侯王□□□□作

(裏面) 先世以来未有此刀百済□世□奇生聖音故爲倭王旨造□□□世

摂社

【出雲建雄神社・猿田彦神社】

左・出雲建雄神社 右・猿田彦神社

出雲建雄神社・・・延喜式内社で、草薙剣の荒魂である 出雲建雄神をお祀りしています。社伝によると天武天皇時に鎮座されました。

猿田彦神社・・・江戸時代には、祭王御前・山上幸神・道祖神社などと呼ばれ、現在地よりさらに東の山中にお祀りされていましたが、 明治10年に現在地にお遷ししました。

【天神社】

高皇産霊神(たかみむすびのかみ)・神皇産霊神(かみむすびのかみ)の二座をお祀りしており、生命を守護して下さる宮中八神に、 禍や穢を改め直して下さる大直日神を併せてお祀りしたもので、 当神宮の鎮魂祭と深い関係があり、 上古から御鎮座になっていると伝えられています。

【七座社】

生産霊神(中央)・足産霊神(生産霊神の右)・魂留産霊神(生産霊神の左)・大宮能売神(足産霊神の右)・御膳都神(魂留産霊神の左)・辞代主神(右)・大直日神(左)の七座をお祀りしています。



神田神社

神田神社は神宮外苑公園の道を挟んだ向い側に鎮座されています。神武天皇が御東征の途中、熊野にて御遭難になった折に、高天原から下された当神宮の御神体である神剣「韴霊(ふつのみたま)」を天皇に奉った高倉下命(たかくらじのみこと)をお祀りしています。

かつては同じ天理市内ではありますが、別の場所にて鎮座されていましたが、平成2年(1990)に現在の地にお遷ししました。

ニワトリ

石上神宮のマスコット的存在とも言えるのが境内にたくさんいるニワトリです。長鳴鶏(ながなきどり)の一種の東天紅(とうてんこう:高知県産・天然記念物)、烏骨鶏(うこっけい:天然記念物)、採卵用種のレグホン・ミノルカなどが棲んでいます。今から40年程前に奉納され、以後時々の奉納や自然繁殖して現在に至ります。

ニワトリは記紀にも登場し、暁に時を告げる鳥として、神聖視され、神様のお使いともされています。

年中行事

1月1日 歳旦祭・神火祭
1月3日 元始祭
1月7日 昭和天皇祭遙拝式
1月15日 出雲建雄神社例祭
節分前夜 17時半〜 玉の緒祭
節分 節分祭
2月11日 紀元祭
2月19日 祈年祭・初穂奉納奉告祭
春分の日 春季皇霊祭遙拝式
3月23日 末社 恵比須神社例祭
3月28日 末社 猿田彦神社例祭
4月3日 神武天皇祭遙拝式
4月第1日曜 献燈講講社大祭
4月15日 春季大祭
4月29日 昭和祭
5月3日 長寿講春季大祭
6月23日 末社 祓戸神社例祭
6月30日 神剣渡御祭・本宮祭
末社 神田神社例祭
御田植神事
夏越大祓式
9月第1日曜 崇敬会大祭
秋分の日 秋季皇霊祭遙拝式・諸霊招魂祭
10月1日 榜示浚神事
10月14日 例祭・宵宮祭
10月15日 例祭(ふるまつり)
10月16日 例祭・後宴祭
10月17日 神嘗祭遙拝式
11月3日 明治祭・長寿講秋季大祭
11月22日 摂社 天神社七座社例祭・鎮魂祭
11月23日 新嘗祭
12月8日 お火焚祭
12月中旬 煤払祭
12月23日 天長祭
12月31日 神庫祭・大祓式・除夜祭
毎月1日・15日 月次祭



アクセス

<住所> 奈良県天理市布留町384

<電話> 0743-62-0900

<駐車場> 無料駐車場あり

<参拝時間> 5:30分〜17:30

電車・バスをご利用の場合
天理駅から徒歩で30分、または奈良交通バス苣原行き乗車、「石上神宮前」下車7分、徒歩5分。