朝護孫子寺
「張子の虎」で有名な寺院ですが、奈良県屈指の古刹である朝護孫子寺の見どころは他にもたくさんあります。漫画のルーツとされる国宝:信貴山縁起絵巻や真っ暗な道を歩く「戒壇巡り」更には信貴山城跡や、近年開設されたバンジージャンプなど一日楽しめる観光地です。
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歴史
1400余年前、聖徳太子は、物部守屋を討伐せんと河内稲村城へ向かう途中、この山に至りました。太子が戦勝の祈願をするや、天空遥かに毘沙門天王が出現され、必勝の秘法を授かりました。その日は奇しくも寅年、寅日、寅の刻でありました。太子はその御加護で勝利し、自ら天王の御尊像を刻み伽藍を創建、信ずべし貴ぶべき山『信貴山』と名付けました。
本尊・毘沙門天
本尊となる毘沙門天王像は左に善膩師童子像、右に吉祥天像ともに本堂内陣の正面に安置されています。
毘沙門天王は七福神のなかでも福随一といわれ、全国の人々にひろく信仰されており、家内安全・商売繁盛・開運長久・心願成就などを願う大般若祈祷が日々厳修されています。
画像の毘沙門天王像はお前立ちですが、この像の後ろに『中秘仏』、さらに奥に『奥秘仏』が納められています。これら『中秘仏』『奥秘仏』は普段の参拝では拝尊できません。
令和4年は寅年であり12年に一度の「奥秘仏の御開帳」があります。
本堂
本堂は文禄年中(1592)豊臣秀吉の再建、または慶長7年(1602)秀頼の再建とする説があり、定かではありません。後に修復を加え、延享3年(1746)に完成しました。然るに、昭和26年(1951)不慮の火災で焼失し、同33年(1958)に再建、現在に至ります。
本堂内には戒壇巡り(後述)や秘仏本尊:毘沙門天が安置されています。
戒壇巡り
覚鑁上人が約800年の昔、当山において唯一納めたという如意宝珠がお祀りされています。本堂階下の暗闇の中を進んでいただき仏像にお祈りし、次に進んだところの錠前に触れてください。心願成就のご利益が大変あらたかです。
⚠本当に真っ暗ですので足元にはご注意ください
入堂料:200円
3つの塔頭寺院
信貴山の塔頭は宿坊として親しまれており、成福院、千手院、玉蔵院の3院があります。各宿坊では、共に休憩、研修、宿泊、昼食の設備を有し、いずれも近代設備を施しています。
【予算目安】1泊2食付:8,400円より、昼食・夕食:3,150円より ※要予約
各塔頭寺院ごとに御朱印があります。
詳しくは成福院↓↓
千手院↓↓
玉蔵院↓↓
奥の院
他の塔頭寺院に比べて少し離れたところにあります。
聖徳太子が守屋討伐の時、毘沙門天王が阪部大臣に化現して先鋒を振われ、御尊像が汗をかかれていたと伝えられております。よって当山は聖徳太子開基の信貴山奥之院、毘沙門天出現最初の地とされ、ご本尊は「汗かきの毘沙門天王」と呼ばれます。
奥の院の御朱印はこちら↓↓
空鉢堂
朝護孫子寺の中興開山命蓮上人が竜王の教えを蒙り、信貴山縁起絵巻(飛倉の巻)には、空鉢を飛ばして倉を飛び返らせ、驚き嘆く長者に慈悲の心を諭して福徳を授けたという出来事に由来します。信貴山の山頂に位置する空鉢堂は本堂より20分ほど山を登ります。参拝者は空鉢堂の登り口にあるお供えの水を空鉢堂まで持って上がるのが一般的です。
張子の寅
信貴山を代表するインパクトある張子の寅「世界一福寅」です。信者による寄進されたこの福寅は首がゆっくりですが動きます。また福寅の脇には小さい寅も二匹います。
その巨大な張り子の寅は、記念写真のポイントとしても喜ばれています。
胎内くぐり
千手院にある寅の胎内をくぐる「胎内くぐり」です。父寅、母寅、子寅が一体となっているトンネルで、ここをくぐれば三寅の福に与うることが出来ます。足元には四国八十八ヶ所のお砂踏みになっており、途中には毘沙門天王がお持ちの宝の源泉である如意宝珠がお祀りされています。
国宝・信貴山縁起絵巻
信貴山縁起絵巻物は朝護孫子寺の中興開山命蓮上人に関する物語を描いたもので日本漫画文化のルーツとも言われています。「飛倉の巻」「延喜加持の巻」「尼公の巻」の三巻からなっており、中には創建時の東大寺大仏殿が描かれている貴重な絵もあります。平安後期の作で、四大国宝絵巻の一つに数えられている有名な絵巻です。作者不詳ですが、軽妙的確な筆で人物の躍動感や表情をうまくとらえ、風景描写にも優れ、劇的な表現を使ったのはこの絵巻が最初であり、その構成の巧みさは実にみごとです。
平成28年には奈良国立博物館にて特別展が開かれました。
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寅ポスト
令和3年の12月に、信貴山朝護孫子寺成福院前の郵便ポストを黄色い虎模様に塗り替えました。丸形ポストは1951年に設置され、元は赤色。塗装し直したポストの上には寺の鈴木貴晶管長の提案で、信貴山の「大寅」をモチーフにした白虎の置物が載せられました。
紅葉ライトアップ
信貴山では紅葉の期間中は夜間ライトアップを行なっています。例年11月中旬〜12月上旬が境内の紅葉が見頃となっています。
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年中行事(2022)
1月1日 4時 | 初寅大法要 |
元日〜16日 9時〜16時 | 毘沙門天王奥秘仏御開扉(12年に一度)※公開は4日〜 |
元日〜3日 17時 | 修正会 |
成人の日 14時 | 信貴山真華流献華法要 |
1月13日(寅) 5時半 | 二の寅大法要 |
1月14日 18時 | 左義長(納め札焼大とんど) |
1月16日 11時 | 新年巳の日大法要 |
2月3日 17時 | 節分大法要、星祭法要、鬼追式(豆まき) |
2月23日〜28日 | 毘沙門天王奥秘仏御開扉(12年に一度)※2回目 |
26日〜27日 9時〜17時 | 信貴山寅まつり |
4月1日〜17日 | 毘沙門天王奥秘仏御開扉(12年に一度)※3回目 |
4月2日〜17日 | 国宝・信貴山縁起絵巻(飛倉の巻)特別出陳 |
4月8日 9時〜16時 | 潅仏会 (お釈迦様誕生花祭り) |
5月3日 11時 | 空鉢護法大祭 |
5月15日 | 毘沙門天王 二十八使者 稚児練供養大法要 |
5月21日 10時 | 開山堂大祭 |
7月1日〜10日 | 毘沙門天王奥秘仏御開扉(12年に一度)※4回目 |
7月3日 3時 | 毘沙門天王御出現大祭 |
7月25日 10時 | 当山鎮守 猪上神社例祭 |
8月6日 16時 | 施餓鬼供養 |
8月6日〜21日 | 毘沙門天王奥秘仏御開扉(12年に一度)※5回目 |
国宝・信貴山縁起絵巻(延喜加持の巻)特別出陳 | |
10月1日〜23日 | 毘沙門天王奥秘仏御開扉(12年に一度)※6回目 |
10月2日 10時〜15時 | 仲秋茶会 |
10月寅の日(2022年は10月16日)14時〜 | 毘沙門天王二十八使者守護善神練り行列 |
10月30日〜11月14日 | 国宝・信貴山縁起絵巻(尼公の巻)特別出陳 |
11月3日 14時 | 柴燈護摩供火渡り大祈願会 |
12月第一日曜日 | 大根だき会 |
寅の日(2022年は12月27日)16時30分〜 | 納め寅大法要 |
信貴山寅まつり
毎年寅の月である2月に信貴山朝護孫子寺で開催される一大祭「信貴山寅まつり」です。巨大な張り子の寅で知られる信貴山ならではの行事です。張り子の寅の絵付け体験や、寅まつり大法要、フードフェスなどお寺で一日楽しめます。
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大根だき会
今年1年無事に過ごせた事への感謝と来年も無事息災であるよう大根を食べ、厄除・健康・長寿を祈ります。
参加費:1000円(お札授与)
【開催日】12月第一日曜日 午前10時〜
信貴山城址
標高437mの信貴山雄嶽を中心とする山城で、奈良県下最大規模を有する中世城郭です。空堀の切り通し堀、土塁、門等の城郭跡が良く残り、特に高櫓跡は著名で、中世末、織豊期直前の山城跡として保存状況の極めて良好な例で貴重な遺跡です。
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バンジージャンプ
近隣のおすすめスポット
【アベノ日本一ラーメン】
朝護孫子寺の山門から数十メートルほどにある「アベノ日本一ラーメン」です。こちらでは絶品の「牛すじカレーラーメン」がいただけます。もちろんメニューはそれだけでなく醤油ラーメン、塩ラーメンなども用意しており、信貴山参詣者が多く立ち寄ります。
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【曽我乃家本店】
信貴山の山門から数十メートルのところにある曽我乃家本店です。信貴山名物とも言える「寅まんじゅう」は特に大人気で、参詣者の多くがお土産に購入しています。また饅頭を食べながら広い境内を散策する方も多く、手軽に食べられるのも魅力的です。
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アクセス
<住所>
<電話> 0745-72-2277
<入山時間>
本堂 9:00~17:00
霊宝館 9:00〜16:30
<駐車場> 有料駐車場あり 500円
<HP> https://www.sigisan.or.jp
自動車をご利用の場合
国道25号線『三室』交差点より約10分
阪奈道路より(信貴生駒スカイライン経由)『信貴山門料金所』よりすぐ
第二阪奈有料道路より『壱分』ランプより約30分
西名阪自動車道より『香芝』または『法隆寺』I.Cより約30分
電車、バス、タクシーをご利用の場合
JR・近鉄「王寺」(奈良交通バス「王寺駅(北口)」)→(「信貴山門」ゆき約22分)→「信貴大橋」→徒歩5分
JR・近鉄「王寺」(北口よりタクシー)→(4km 約13分)→朝護孫子寺
近鉄「信貴山下」→ (タクシー 約10分(バスもあり))→ 朝護孫子寺
近鉄「信貴山口」→ ケーブル「高安山」→(近鉄バス「信貴山門」ゆき約10分)→ 「信貴山門」→徒歩約10分