長谷寺
西国三十三所巡礼始まりの地とされるのがここ長谷寺です。
全国に末寺三千余ヶ寺、 檀信徒はおよそ三百万人といわれ、 四季を通じ「花の御寺」として多くの人々の信仰をあつめています。特に牡丹の花は有名で春には「牡丹まつり」が開催され多くの参拝客で賑わいます。
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歴史
創建は寺伝によると、686年道明上人は、天武天皇の銅板法華説相図(千仏多宝仏塔)を西の岡の三重塔に安置、727年徳道上人は、聖武天皇の勅を奉じて、衆生のために東の岡に近江高島から流れ出でた霊木を使い、十一面観世音菩薩を造りました。
徳道上人は観音信仰にあつく、西国三十三所観音霊場巡拝の開祖となられた大徳(だいとく)であり、それ故に当山は三十三所の根本霊場と呼ばれてきました。
秘仏本尊:十一面観世音菩薩立像
十一面観世音菩薩立像(重要文化財)
木造 像高1,018.0cm、制作年代:室町時代
秘仏本尊である十一面観世音菩薩立像は毎年春と秋にご開帳されます。特徴として右手に錫杖、左手に水瓶を持って方形の大盤石という台座に立っており、この様式を「長谷寺式十一面観世音菩薩」と呼ばれ全国でも数多くこの様式が確認されています。
現在の御本尊は室町時代に造られましたが、過去に何度も焼失を繰り返しており、鎌倉時代には快慶が製作していたとも伝えられています。
鎌倉の長谷寺とは同じ木で製作された兄弟仏像と伝えられており、見た目や大きさ、など共通点が大きのはその為です。
仁王門
長谷寺の総門でもある三間一戸入母屋造本瓦葺の巨大な楼門です。両脇には仁王像、楼上に釈迦三尊十六羅漢像を安置した壮大な造りです。平安時代、一条天皇の時代頃に創建されましたが、度重なる火災により焼失し、現在の仁王門は明治時代の再建です。
「長谷寺」という大額の文字は後陽成天皇の宸筆です。
登廊
長谷寺といえばこの登廊をイメージされる方も多くいるかと思います。
この登廊は重要文化財に指定されており、1039年に春日大社の社司中臣信清が子の病気平癒の御礼に造ったもので、全部で399段の階段があります。とても低い段差ですので疲れることはありません。
登廊は上中下の三廊に分かれており、下と中廊は1894年の再建で、真ん中には長谷型の灯籠を吊るしています。
本長谷寺
天武天皇の勅願により、道明上人がここに精舎を造営したことから、今の本堂(今長谷寺)に対し本長谷寺と呼ばれています。簡単に言うと長谷寺始まりの地です。686年、道明上人は天武天皇の御病気平癒のため『銅板法華説相図(千仏多宝仏塔)』を鋳造し、本尊としてお祀りされました。
五重塔
桧皮葺、高さ 31.39m 昭和29年(1954)建立
昭和に建立された戦後初の五重塔です。1876年(明治9年)に雷火で焼失した三重塔跡北側に建てられ純和様式の整った美しい塔です。
その他境内の様子
長谷寺の境内は広大でじっくり拝観すると半日はかかります。上記の有名どころの諸堂以外も少し紹介します。
開山堂
興教大師祖師堂
大黒堂
三社権現
稲荷社
弘法大師御影堂
愛染堂
奥の院
三重塔跡
日本屈指の花の寺
長谷寺は牡丹が有名ですが、その他にも1年を通じて境内には色々な花が咲いています。
「春」
「夏」
「秋」
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だだおし法要
「だだおし法要」とは長谷寺の修二会最終日に行われる鬼追いの儀式を指します。開山徳道上人が閻魔大王より授かったとされる「檀拏印」を押印し、法力を宿した「牛玉札」の力により大松明を持った赤鬼、青鬼、緑鬼を退散させる行事です。
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観音万燈会
年末年始に「観音万灯会」を開催し、参道に沢山の灯籠を並べます。全部で399段の階段に灯される灯籠は大変美しく幽玄な世界へと誘います。また回廊沿いを中心に「寒中牡丹」が見頃を迎え、寒中牡丹も明かりが灯されます。
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年中行事
1月1日 | 本尊開帳法要 |
1月1日〜7日 | 仁王会・修正会 |
1月8日〜10日 | 仏名会 |
1月28日〜2月3日 | 星祭り |
2月3日 | 大黒天祭・節分会 |
2月8日〜14日 | 修二会 |
2月14日 | だだおし法要 |
2月24日 | 三社権現綱懸祭 |
3月1日〜7月9日 | 大観音特別拝観 |
3月15日 | 常楽会 |
3月中旬 | 彼岸会 |
3月21日 | 弘法大師正御影供 |
4月8日 | 花まつり灌仏会 |
4月20日〜5月12日 | ぼたんまつり |
4月20日 | ぼたん献花祭 |
4月27日 | ぼたん茶会 |
4月27日〜5月6日 | 特別法話 |
5月5日 | 専誉僧正恩徳会 |
6月15日 | 弘法大師誕生会 |
6月17日 | 興教大師誕生会 |
7月24日 | 愛宕社祭礼 |
8月13日〜15日 | 盂蘭盆会 |
9月23日 | 彼岸会 |
秋期 | もみじまつり |
大観音特別拝観・秋季寺宝展 | |
10月13日・14日 | 與喜天満宮祭礼 |
11月3日 | もみじ茶会 |
11月17日〜19日 | 特別法話 |
11月24日 | 幽玄のつどい |
12月8日 | 成道会 |
12月12日 | 陀羅尼会 |
12月31日 | 本尊閉帳法要 |
12月31日〜1月3日 | 観音万燈会 |
近くのおすすめスポット
【與喜天満神社】
長谷寺のすぐ近くに鎮座する神社です。多くの人が長谷寺の参詣前後に訪れる桜井市屈指の観光場所です。歴史は古く日本最古の天満宮とも言われます。毎年受験シーズンには多くの人で賑わいます。
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【法起院】
近鉄長谷寺駅から参道を進むと現れる寺院です。寺伝によると735年に西国三十三所を創始したと伝えられている徳道がこの地で隠棲した事に始まるとされています。現在では長谷寺の開山堂として毎日多くの人が訪れます。
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【田中屋】
長谷寺の門前町にある老舗料理旅館「田中屋」です。田中屋では、長谷寺を訪れる観光客にお食事やお宿を提供しています。食事だけの利用も可能ですので、長谷寺参詣の際にぜひおすすめです。
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【名物くさ餅 井上牡丹堂】
長谷寺参道にあるお店です。長谷寺参詣のお土産や食べ歩きに最適な井上ぼたん堂の草餅です。長谷寺の参道にお店を構えて90年の老舗が丹精込めて作る草餅や焼き餅は観光客や地元の方に大人気です。長谷寺参詣の際にぜひおすすめお店です。
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アクセス
<住所> 奈良県桜井市初瀬731−1
<電話> 0744-47-7001
<入山時間>
8:30~17:00(4月~9月)
9:00~17:00(10月~11月、3月)
9:00~16:30(12月~2月)
※牡丹まつり期間等時間延長あり
<駐車場> 有料駐車場あり 500円
<HP> https://www.hasedera.or.jp/
自動車をご利用の場合
・大阪方面から
西名阪自動車道を天理インターで降り、国道169号線を桜井方面へ。
桜井市内で国道165号線へ左折(東進)。
初瀬西の信号を左折し門前町へ。
・名古屋方面から
名阪国道を針インターで下り、国道369号線を榛原・桜井方面へ。
榛原で国道165号線を右折(西進)。
初瀬西の信号を右折し門前町へ。
電車をご利用の場合
近鉄大阪線長谷寺駅を下車
※シーズンには急行が臨時停車します。