唐古・鍵遺跡
唐古・鍵遺跡
唐古・鍵遺跡とは田原本町にある弥生時代の環濠集落遺跡です。約42万㎡(甲子園10個分)という大きな面積を誇ったことや、弥生時代前期から後期まで約700年間もの長い間、途切れずに集落として存在し続けていたことなどが判明しています。規模の大きさのみならず、大型建物の跡地や青銅器鋳造炉など工房の跡地が発見されています。さらに発見された遺物には、日本各地から運び込まれた物もあり、弥生時代には、現在の関西を超えた大きな範囲での交流が行われていたことが分かります。
平成11年に遺跡の中心部分が国の史跡に指定されました。
唐古・鍵遺跡史跡公園
平成30年に唐古・鍵遺跡史跡公園として整備され、弥生時代の「風景を再現」しています。今回は公園の中でも絶対見ておくべき箇所を紹介しています。
【楼閣(復元)】
遺跡のシンボル的建物で、唐古・鍵遺跡と言えばこの楼閣を思われる方がほとんどだと思います。この楼閣は紀元前1世紀頃の壺に描かれた絵画を元に復元されました。刻み梯子で登る高床式の建築物で、欄干には鳥、屋根には渦巻き状の飾りがついています。宗教的な意味合いで建てられたと推定されています。
【大型建造物跡】
2200年前の大型建物跡が発掘されました。柱にはケヤキ材が使用され、特に北西隅の柱の太さは83cm(樹齢110年)もある弥生時代最大級のものでした。高床の建物と推定され、大型の倉庫の可能性がありますが正確にはわかっていません。
復元では柱の高さは2mで統一されています。
【環濠(復元)】
ムラを守るために周りには環濠が幾重にも掘られていました。お城のお堀をイメージすれば分かりやすいかも知れません。その中でも最大の環濠を大環濠と呼ばれます。幅7〜8m、深さ1.5m〜2mの溝が、南北530m、東西400mの範囲を巡っていました。また環濠は守る以外にも運河として利用されていました。
【太平洋戦争の遺構】
公園の遺構は決して弥生時代のものだけではありません。この八角形のコンクリートは、太平洋戦争末期に作られた高角砲の台座です。ここから東約2kmに作られた海軍柳本飛行場を守るために、ここをはじめ数カ所に台座が作られましたが、現在では2つしか残されていません。
遺構展示情報館
遺跡の発掘調査で見つかった大型建物跡の柱穴を形取りして、実寸大に再現した模型を展示しています。約50畳の大きさの建物で、切妻造の屋根を持つ高床建物だと考えられています。これは、現在は伊勢神宮などで見ることできる神明造という神社建築様式に似ていると言われています。
館内には遺構跡や柱穴に残っていたケヤキ柱などが展示されています。
唐古・鍵考古学ミュージアム
唐古・鍵遺跡史跡公園から車で2分ほどのところに唐古・鍵遺跡を詳しく学べるミュージアムがあります。またボランティアガイドの方も常駐しているのでより深く学ぶことができます。
※館内撮影可能
【第一展示室】
唐古・鍵遺跡での生活・祭事・戦いをテーマにした展示です。ムラでの生活の様子が伺えます。
【第二展示室】
重要文化財に指定された優品をシンボル的に展示しています。ヒスイ勾玉や土器、石器などムラの高い技術力が伺えます。
【第三展示室】
唐古・鍵遺跡の周辺遺跡や纏向遺跡について触れ、弥生時代の「ヤマト」が周囲のムラと連動していること、まあ古墳から出土した埴輪を展示しています。
アクセス
唐古・鍵遺跡史跡公園
<住所> 奈良県磯城郡田原本町唐古50番地の2
<電話> 0744-34-5500
<開園時間> 9:00~17:00
<休園日> 月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日)
<駐車場> 無料駐車場あり
自動車をご利用の場合
京奈和自動車道「三宅IC」から東へ10分
電車・バスでお越しの場合
近鉄橿原線「石見駅」下車 徒歩約20分(約1.5km)
近鉄橿原線「田原本駅」下車 タクシー約10分(約2.5km)
近鉄田原本線「西田原本駅」下車 タクシー約10分(約2.5km)
唐古・鍵考古学ミュージアム(田原本青垣生涯学習センター2階)
<住所>
<電話> 0744-34-7100
<開館時間> 9:00~17:00(入館は16:30まで)
<観覧料> 大人200円、高校生・大学生100円
<休園日> 月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日)
<駐車場> 無料駐車場あり
自動車をご利用の場合
京奈和自動車道「三宅IC」から東へ10分
電車・バスでお越しの場合
近鉄橿原線「田原本駅」下車 タクシー約10分(約2.5km)