富岡鉄斎 -文化人として生きる-
富岡鉄斎 -文化人として生きる-
近代文人画の巨匠・富岡鉄斎(1836~1924)は、古人を顕彰し、「万巻の書を読み、万里の路を行く」という中国文人の理想を、生涯を通して実践しました。豊かな知識と雅趣をもって多彩な作品を生み出しましたが、その背景には言うまでもなく、北宋の蘇軾をはじめとする古の文人達へのあこがれがありました。本展では鉄斎の交友関係に着目しながら、その文人としての生き様を見ていきます。※大和文華館HPより引用
会期・会場
会期:2019年2月22日(金)~4月7日(日)
【前期】2月22日(金)~3月15日(金)【後期】3月16日(土)~4月7日(日)
休館日:月曜日
開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時まで)
会場:大和文華館
作品紹介
今展覧会で個人的に思う注目作品を紹介しています。
【攀嶽全景図】
富岡鉄斎 明治22年 54歳
鉄斎は富士山をとりわけ名山と称えており、生涯多数の富士図を描いています。本図は富士山でも特に山頂付近にスポットを当てたものとなっており、ゴツゴツした無数の岩で構成され、上部には大きな火口や神社鳥居や登山客の姿が描かれています。
実際に鉄斎自身も富士登山をしており、その経験に基づく作品であると考えられています。
【畝傍山御陵之図】
【春日角伐図冊】
富岡鉄斎 明治40年 72歳
現在も続く奈良の有名な行事として知られる「角伐」の様子です。縄をかける場面や角を伐る場面は現在と全く変わらない姿です。
例年鹿の角きり行事は10月上旬に奈良公園で行われます。
【奈良八重桜図】
富岡鉄斎 大正7年 83歳
こちらの作品は『沙石集』に録されるエピソードを絵画化したもので、興福寺東円堂前の八重桜は、名木として古来より知られていました。画中には、桜のものにつるはしを持ち桜を掘り起こそうとする男たちと、それを咎める興福寺の僧侶が描かれています。
ちなみに現在は八重桜も東円堂も現存していません。
梅林が見ごろ
チケット売り場からすぐ右に曲がったところに梅林があります。会期中がちょうど見頃となっているのでぜひそちらも楽しんでください。
近くのおすすめスポット
【中野美術館】
大和文華館の隣にある中野美術館では、明治、大正、昭和の三代にわたる近代日本の 洋画、日本画、版画、 彫刻の館蔵品による作家展、テーマ展 、常設展を中心に開催しています。
※4月14日まで「神仙と菩薩 ―富岡鉄斎、村上華岳を中心に―」開催中
【松柏美術館】
奈良市登美ヶ丘の閑静な住宅街に建つ松伯美術館では、女性日本画家にして気品ある精神性豊かな近代美人画を生み出した上村松園を中心に、その息子・松篁、孫の淳之の三代にわたる作品を常時展示しています。
詳しくはこちら→松柏美術館
アクセス
<住所> 奈良市学園南1丁目11番6号
<電話> 0742-45-0544
<入館時間> 午前10時~午後5時
<休館日> 毎週月曜日、年末年始および展示替期間
<駐車場> 無料駐車場あり
電車でお越しの場合
近鉄奈良線「学園前」駅下車徒歩約7分