奈良ホテル



奈良ホテル

奈良ホテルは関西の迎賓館と云われ、皇族の宿泊する迎賓館に準ずる施設となっていました。明治に創業され本館の建物は東京駅や大阪市中央公会堂(中之島公会堂)などを手掛けた建築家・辰野金吾氏が担当、和洋折衷の美しい建築物として知られます。また創業以来のメインダイニングルーム三笠では歴代の料理長から受け継いできた伝統のフランス料理を楽しめます。

歴史

奈良ホテルは明治42年(1909)に創業した老舗ホテルで、本館の設計は東京駅や大阪市中央公会堂(中之島公会堂)などを手掛けた建築家・辰野金吾氏と片岡安氏が担当しました。

日露戦争後に訪日外国人が急増し、これに対して日本政府は外国人宿泊施設整備を支援する政策をとり、奈良ホテルの建設計画が始まりました。

開業後は経営難に陥るも、迎賓館に準じた施設として国の手厚い保護の下で運営されるようになりました。

その後は奈良ホテルを訪れた世界的著名人としては、大正11年にエドワード英国皇太子、アルベルト・アインシュタイン、昭和12年にヘレンケラー女史、各皇族方や当時の首相の多くも来館しています。

戦後一時期、米軍に接収された奈良ホテルは、米軍の中尉から少佐クラスを長に5~6名程度のスタッフが常駐し、日本人従業員は米軍の労務員として米軍の管理下に置かれました。

米軍から接収解除後の昭和40年代には万博に備え改築、純粋リゾートホテル型からシティーホテル型へと変身していきます。万博の年は活況を呈し、国王、王女、大統領夫人など貴賓客の来館だけでも週に2~3回はあるような有様でした。昭和58年にはオードリー・ヘップバーンが来館されるなど世界的に知られたホテルへとなり現在に至ります。



館内の様子

館内には歴史あるお部屋や調度品の数々が現在も展示・使用されています。中でもアインシュタインが弾いたピアノは特に有名です。

【アインシュタインの弾いたピアノ】

アインシュタインが大正11年(1922)に滞在された際に弾かれた、脚部に鉄道省の動輪マークが施されたピアノです。博士はまさにこの場所で、ピアノを演奏されました。

【平成の大時計】

天皇陛下の御即位を記念して1Fロビーの「桜の間」に設置されたものです。天皇皇后両陛下が御来館の際(平成2年12月1日)、この場所にお立ち寄りになられ、「伝統の奈良ホテルにふさわしい置物」とのお言葉を賜ったそうです。

皇后陛下は15分ごとに流れるメロディが特にお気に召され、ホテルご出発の朝、わざわざお聴きに来られるという出来事もありました。

【大階段】

重厚な雰囲気の赤い絨毯の大階段は当館屈指の写真撮影スポットです。また、削り出しの手すりの、流れるような美しいラインは必見です。館内の撮影スポットとしても有名で多くの方が撮影しています。

【鳥居をマントルピース(暖炉)】

鳥居とマントルピース(暖炉)の組み合わせがおもしろいこの調度品は、日本とドイツの和洋折衷様式で建てられた当館を象徴するもので、ここに、辰野金吾氏の設計思想が凝縮されていると言われています。マントルピースはほとんどの本館客室に備わり、大正初期までは実際に使用されていました。

【スチームヒーター】

1Fロビーの「桜の間」に設置されているスチームヒーターです。残念ながら現在は使われておらず、オブジェとなっています。しかし細部まで施された美しい彫刻が圧巻です。

【擬宝珠】

奈良の伝統工芸「赤膚焼」製の当館にしかない擬宝珠。もとは真鍮製でしたが、戦時中に供出したため代用品として製作されたものです。大塩正人窯の製作で、今では当館の名物となっています。

館内の至る所にあるのでぜひ見つけてみてください。

【和風シャンデリア】

釣燈籠を模した珍しい和風のシャンデリア。非常に重厚感のあるこのシャンデリアは、梁に直接固定されています。2019年に迎えた創業110周年記念ロゴには、このシャンデリアがデザインされました。

【銅鐸】

この銅鐸は昭和4年(1929)に購入され、現在のフロント売店付近に置かれていました。昭和20年代まで、宿泊されているお客様に食事の時間(昼と夜)を知らせる役割を果たしていました。戦時中には空襲警報の役割も果たしていたようです。

客室

本館スタンダードツイン

建築家、辰野金吾氏設計による桃山御殿風檜造りの1909年に建造された本館は、随所に創業時のマントルピース(暖炉)が残り、調度品はその時代の優雅さが漂います。1階から2階には62室の客室があります。

画像の部屋はオードリー・ヘップバーンが宿泊された部屋で、現在も宿泊することが可能です。



メインダイニングルーム三笠

名画や調度品が設えられた重厚華麗な空間が広がる、創業以来のメインダイニングルームです。歴代の料理長から受け継いできた伝統のフランス料理を楽しめます。

特別コース【復刻ランチ】・・・当時人気があったと推測される品をセレクトした特別コース

・オードヴル(1938年)
・タピオカ入りコンスメスープ(1938年)
・国産牛ロース肉のステーキ ホテル主人風(1970年)
・ピーチメルバ(1938年)
・紅茶(アッサムとダージリンのオリジナルブレンドティー)
・パン

オードヴル

タピオカ入りコンスメスープ

国産牛ロース肉のステーキ ホテル主人風

ピーチメルバ

パン

紅茶

日本料理「花菊」

メインダイニングの他に奈良ホテルでは日本料理「花菊」があります。旬の素材にこだわり、料理人の技を凝らしたメニューは見た目も味も堪能できます。お子様メニューもあり家族で気軽にお食事ができます。

【大和の昼膳】

御先付/   帆立の松前漬け 色三つ葉 ゆず 揚げ生麩利久和え 色三つ葉 ゆず
御前菜/   蛤 春菊 筍 木耳 人参 白和 くこの実 柿の葉すし 薄切り生姜 炙りゆべし
御造り/   お造り三種盛り 芽物一式
御焼物/   金目鯛 海老 帆立 一寸豆の酒粕風味黄金焼き 大和肉鶏の照り煮 木の芽
御蒸物/   胡麻豆腐湯葉巻き 銀餡 磯海苔 とき山葵
御猪口/   大和伝統野菜大和まなのお浸し ゆず
御留椀/   味噌仕立
御 飯/   奈良茶飯 香の物
御宝石/   デザート

御先付

御前菜

御造り

御焼物

御蒸物

御猪口

御留椀・御飯

御宝石箱



近くのおすすめスポット

【名勝 旧大乗院庭園】

奈良ホテルに隣接する「名勝 旧大乗院庭園」は、かつて「南都随一の名園」と謳われた庭園です。大乗院は、1087年(寛治元年)に創建された興福寺の門跡寺院です。 旧大乗院庭園の敷地内の一部が奈良ホテルとなっています。

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名勝 旧大乗院庭園

【福智院】

奈良ホテルのすぐ近くにある真言律宗の寺院です。本堂のサイズからは想像できない、大きな地蔵菩薩像(重文)で知られます。また県内屈指の御朱印で有名な寺院としても知られ、多くの人が参拝します。

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福智院

【春日大社】

世界遺産「古都奈良の文化財」の一つであり、 奈良時代に平城京の守護と国民の繁栄を祈願する為に創建され藤原氏の氏神を祀ります。全国に約1000社ある春日神社の総本社であり、主祭神:武甕槌命が白鹿に乗ってきたとされることから、鹿を神使としています。

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春日大社

【興福寺】

奈良ホテルから徒歩数分の所にある興福寺です。世界遺産「古都奈良の文化財」に登録され、有名な阿修羅像や五重塔の他に春秋に公開される北円堂など一年中満喫できる日本を代表する寺院です。

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興福寺



営業情報・アクセス

<住所> 奈良市高畑町1096

<電話> 0742-26-3300

<営業時間>
メインダイニングルーム三笠
朝食  7:00~10:00(LO. 9:30)
昼食 11:30~15:00(LO. 14:00)
夕食 17:30~20:00(LO. 19:00)

日本料理 花菊
定休日:月曜・火曜日
昼食    11:30~ 15:00(ラストオーダー14:00)
夕食  休業中

チェックイン 15:00 / チェックアウト 11:00

<予算> 食事:3,000円〜 宿泊:25,000円〜

<HP> https://www.narahotel.co.jp

<駐車場> あり

電車・バスでお越しの場合
近鉄奈良駅より徒歩15分
近鉄奈良駅より、奈良交通バス(天理方面行・3番のりば)利用で約8分「奈良ホテル」下車、徒歩で約1分

JR奈良駅より徒歩25分
JR奈良駅より、奈良交通バス(天理方面行・東口1番のりば)利用で約15分「奈良ホテル」下車、徒歩で約1分



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