西大寺石落神社



西大寺石落神社

西大寺東門に鎮座する西大寺石落神社(さいだいじしゃくらく)です。この場所は西大寺境内の飛び地であり、鎌倉時代に西大寺中興の祖です興正菩薩叡尊上人によって祀られました。本殿(室町時代)は、正面に階段を設けず、一面に床を張る「春日見棚造り」になっており、特に年代の古い物として、奈良市指定文化財に指定されています。

由緒・御祭神

『西大勅謚興正菩薩行実年譜』には、仁治3年(1242)叡尊が三輪から少彦名命石落神の秘薬により施薬院を構えて「豊心丹」をつくり、東門の地を択んで社を建て、石落神を祀ったと記されています。

豊心丹は昭和17年まで官許の売薬として伝えられていました。

昭和57年に保存修理が行われ、瓦葺から桧皮葺に復原されました。

毎年3月の初午厄除祈願は石落神を勧請して祈願を行います。

御祭神:少彦名命(石落神)

初午厄除祈願会についてはこちら↓↓

初午厄除祈願会(西大寺)



石の祟りが由来?

東塔跡

石落神を祀ったことには奈良時代の西大寺における「石の祟り」が端を発していると『続日本紀』に記されています。

その内容は、

   破却西大寺東塔心礎。其石大方一丈餘。厚九尺。東大寺以東。飯盛山之石也。
初以數千人引之。日去數歩。時復或鳴。於是。益人夫。九日乃至。即加削刻築基已畢。
時巫覡之徒。動以石崇爲言。於是。積柴燒之。潅以卅餘斛酒。片片破却。棄於道路。
後月餘日。天皇不予。卜之破石爲崇。即復拾置淨地。不令人馬踐之。
今其寺内東南隅數十片破石是也。

簡単に訳すと、

東塔の心礎に据えようとした大石が数千人で動かしてもほとんど動かず、時に唸り声をあげました。なんとか基礎を築いたが、祟りがあるかもしれないということで石を焼き、酒を注ぎ、砕いて棄てました。その後称徳天皇は病となる(この年の8月に崩御)。やはり砕いた石の祟りということで、再び拾い、清らかな土地に置き、人馬が踏まないようにしました。今は寺の東南隅にあります。

といった内容です。このことから西大寺の飛び地に石落神を祀ったとされています。

西大寺

真言律宗総本山の寺院で、当社の目の前にあります。かつては西の西大寺、東の東大寺と対をなすほどの大きさを誇っていましたが衰退し、鎌倉期に叡尊上人が復興し現在に至ります。

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西大寺



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喜光寺



アクセス

<住所>

<駐車場>  なし(近隣にコインパーキングあり)

電車でお越しの場合
近鉄西大寺駅より徒歩2分



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