興善寺



興善寺

興善寺は、世界遺産・元興寺の奥の寺でしたが、天正17年(1589)に慶誉上人によって浄土宗に改宗されました。昭和37年に、本尊・阿弥陀如来像の胎内から法然上人直筆の文書が見つかり、昭和の大発見といわれました。仏像、文書ともに重要文化財に指定されています。

御朱印はこちら↓↓

興善寺

歴史

興善寺の正確な創建年は不明ですが、もともと隣接する十輪院と同様に元興寺の子院でした。元興寺は南都七大寺の一つとして大伽藍を誇っていましたが、平安末期のころより衰退していきます。興善寺は元興寺がまだ大きな勢力を有していた頃からあった子院で、「奥の寺」と呼ばれていました。天正年間(1573~92)に慶誉上人という浄土宗の僧が当寺に伝わる石仏・一光三尊の前で念仏を唱え念仏信仰を広め、天正17年(1589)に本堂が建立、さらに浄土宗興善寺として独立しました。また同年に快慶作と伝える阿弥陀如来像を迎えます。

昭和37年に、阿弥陀如来像の胎内から法然上人直筆の文書が見つかり、昭和の大発見といわれました。仏像、文書ともに重要文化財に指定されています。



本尊と法然上人直筆の文書

阿弥陀如来像(重要文化財)

源空・証空等直筆消息(重要文化財)

興善寺の本尊である阿弥陀如来立像は快慶作と伝える仏像です。興善寺が元興寺の子院から独立した天正17年(1589)に迎えました。昭和37年に阿弥陀如来像の胎内から源空(法然)の消息(書状)三通と門弟の証空・欣西・親蓮・円親等の消息が納められており、紙背にはこの阿弥陀仏造像に関係のある念仏結縁交名がしるされていました。

法然上人直筆の文書は極めて少なく昭和の大発見といわれました。仏像、文書ともに重要文化財に指定されています。

一光三尊の石仏

本堂向かいに建つ納骨堂の本尊が石仏の一光三尊像(鎌倉時代)です。一光三尊とは「弥陀・観音・地蔵」が一つの光背に三体並んだ形のことを指します。由緒の項目でも触れましたが、天正年間(1573~92)に慶誉上人が石仏・一光三尊の前で念仏を唱え念仏信仰を広め、興善寺の独立のきかっけとなりました。



近くのオススメスポット

【十輪院】

ご本尊は珍しい石龕地蔵(重文)で、奈良を代表する地蔵を祀る寺院「大和地蔵十福」の一つでもあります。興善寺と同じくかつては元興寺の子院で「奥の院」と呼ばれていました。国宝の本堂や数々の仏像などひっそりとした寺院ですが非常に見るべきところが多いところでもあります。

詳しくはこちら↓↓

十輪院

【御霊神社】

ならまちはかつて元興寺の境内であったため御霊神社も史書によれば元興寺御霊神社とも呼ばれていました。興善寺は御霊神社宮司の墓地でもありました。近年では恋愛成就の神社として人気のスポットです。

詳しくはこちら↓↓

御霊神社



アクセス

<住所> 奈良県奈良市十輪院畑町10

<電話> 074-22-37007

<駐車場> 無料駐車場あり

電車・バスでお越しの方へ
近鉄奈良駅前 奈良交通バス 天理方面行(3番のりば)福智院バス停下車、南西へ徒歩3分
JR奈良駅前 奈良交通バス市内循環内回り(11番のりば)田中町バス停下車、北東へ徒歩3分



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です