鎌倉時代の唐招提寺と戒律復興
鎌倉時代の唐招提寺と戒律復興
唐招提寺中興の祖と仰がれる覚盛上人の入滅から七百七十年となる今年、上人の事績を顕彰するとともに、その前後に活躍した貞慶、證玄といった高僧にも触れ、鎌倉時代の唐招提寺と戒律復興について紹介する展覧会です。唐招提寺などから普段見れない貴重な品々が公開されます。
また同時開催されているお水取り展も必見です。
覚盛上人とは
覚盛上人(1194 – 1249)
鎌倉時代に活躍した律宗(総本山・唐招提寺)の僧侶です。興福寺で出家し、常喜院に住して戒律を学び、1236年、西大寺中興の祖で知られる叡尊らとともに東大寺で自誓受戒して戒律復興運動の中心となりました。四条天皇をはじめ皇族や公卿に菩薩戒を授けています。
1244年に唐招提寺に入寺し、長老としての在任期間はわずか5年ではありましたが、その後の寺勢興隆の礎を築きました。
唐招提寺中興の祖・大悲菩薩覚盛上人の祥月命日の5月19日に、その御遺徳を偲び「中興忌梵網会」が行われ、法要の後、鼓楼より「うちわまき」が行われます。
会期・会場
【会期】平成31年2月8日(金)〜平成31年3月14日(木)
【会場】奈良国立博物館 西新館
【休館日】2月18日・25日
【拝観料】大人520円、大学生260円
主な出陳品
【釈迦如来立像】
重要文化財 木造 像高:1.66m 鎌倉時代
普段は唐招提寺礼堂内の厨子に安置されています。縄状に結われた髪と、袈裟を通肩(つうけん)にまとった清涼寺式の釈迦像です。
像内部から百通あまりの造立に際しての結縁文書が見つかり、その造立の年が明らかになりました。
【覚盛上人坐像】
重要文化財 木造 鎌倉時代
本展の主役こと覚盛上人坐像です。普段は中興堂にて安置され「中興忌梵網会」など限られた日に公開されます。上人晩年の姿ではなく、壮年期の姿であると考えられています。像内の墨書から奈良在住の椿井仏師の一人、成慶によって1395年に像立されたことが解っています。
【日供舎利塔】
重要文化財 高さ47.8cm 木製 鋳胴造 鍍金 鎌倉時代
普段は唐招提寺礼堂内に安置され「火炎宝珠形舎利容器」とも言われています。日々の勤行礼拝用として、鑑真和上が持って来られた「如来舎利三千粒」から分けられた数十粒が収められた容器です。日々供養されるため「日供」と名付けられました。
関連寺院
【唐招提寺】
世界遺産唐招提寺の創建は鑑真和上です。この地はもともと新田部親王の旧地を賜って私寺の戒院を開創しました。純粋な律宗の研修道場として当初は「唐律招提」と称し、勅願を賜ってから「唐招提寺」となりました。覚盛上人の命日にあたる毎年5月19日の「うちわ撒き」は有名な行事です。
詳しくはこちら→唐招提寺
近くのおすすめスポット
【氷室神社】
国立博物館の向かい側に鎮座しています。氷の神社として知られる氷室神社は昨今、奈良県のかき氷ブームの火付け役となっており、かき氷の聖地のように思われる方もいるそうです。最大の行事は5月1日に行われる「献氷祭」です。
詳しくはこちら→氷室神社
アクセス
<住所> 奈良県奈良市登大路町50番地
<電話> 050-5542-8600
<入館時間> 9:30~17:00 ※2月8日(金)、9日(土)は午後9時まで、2月10日(日)~14日(木)は午後8時30分まで(「なら瑠璃絵」開催期間中)
<駐車場> 周辺に民間の駐車場あり
自動車をご利用の場合
名古屋方面から 西名阪自動車道・天理I.C.から国道169号線を北へ約15分。
大阪方面から 第二阪奈道路・宝来I.C.から国道369号線を東へ県庁を越えて約1分。 西名阪自動車道・天理I.C.から国道169号線を北へ約15分。
京都方面から 京奈和自動車道・木津I.C.から国道24号線を南へ、国道369号線を東へ約1分。
電車をご利用の場合
近鉄奈良駅下車 登大路を東へ徒歩約15分 JR奈良駅または近鉄奈良駅から市内循環バス外回り「氷室神社・国立博物館」バス停下車すぐ