寳物殿(室生寺)



寳物殿

令和2年に完成した宝物殿は、女人高野室生寺が所有する宝物の一部を展示している建物です。かつて金堂や弥勒堂に安置していた国宝や重要文化財の美しい仏像を展示しており、室生寺の仏像約3分の1にあたる9体が収蔵されています。収蔵室は2室あり、第一収蔵室は仏像を、第二収蔵室は密教仏具が展示されています。

※入山料と別途寳物殿拝観料が必要です。

主な展示物

【十一面観音立像】

木造 像高196.2cm 平安時代 国宝

室生寺で最も人気の仏像がこの十一面観音像です。がっしりとした肩幅に全体的に丸みがあり、女性的な印象を与えます。また最大の特徴とも言えるのが独特な光背の文様です。特に頭部の周りには赤・黄・緑の美しい彩色が残り仏像をより華やかにさせます。かつては金堂に安置されていましたが、造立当初の安置場所は不明です。

【釈迦如来坐像】

木造 像高106.3cm 平安時代 国宝

弥勒堂に客仏として安置されていたこの像は、平安前期彫刻の白眉として知られています。どっしりと安定した姿に引き締まった慈愛の表情が美しく、個人的に横から眺めた際の胴周りの太さを見ることをオススメしています。

【地蔵菩薩立像】

木造  平安時代 像高160cm 重要文化財

この地蔵は、光背と合っていない不思議な仏像です。十一面観音菩薩像の尊顔が光背の円中央に位置するのに対し、こちらの地蔵菩薩の場合は、円中央よりずっと低い位置にあたります。この光背にぴったり合うのが室生寺から約9kmほど離れた地にある安産寺の地蔵菩薩像と言われています。

【十二神将】

木造 像高100cm前後 鎌倉時代 重要文化財

薬師如来の眷属として十二の方角を守るこれらの像は、頭上にそれぞれ十二支が彫刻されています。それぞれが特徴的なポーズをとっており、色彩が多く残ります。像の伝来は不明で、元々は別の場所から移されたとされています。

※辰神、羊神は奈良国立博物館にて展示

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奈良国立博物館



室生寺について

女人高野と呼ばれる真言宗室生寺派大本山室生寺です。人里離れた宇陀の山中にあり、平安時代のお堂や仏像など多くの宝物を現在まで残します。石楠花の花でも有名で、5月ごろには多くの参拝客が訪れます。

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室生寺

近くのおすすめスポット

【大野寺】

寺伝によると681年に役行者が開き、824年に弘法大師が室生寺を開創の時、この地に一宇を建て、本尊弥勒菩薩を安置して慈尊院弥勒寺と称したとあり、室生寺の西の大門としたのが始まりです。鎌倉初期に磨崖仏が作られました。

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大野寺

【室生龍穴神社】

桓武天皇の病気平癒を願い、室生の龍穴で祈祷が行われた記録があり、これが本殿のさらに山奥にある「吉祥龍穴」ではないかと考えられています。その後無事病気が治り、勅命によって創建されたのが室生寺ですので神社との関わりは深いです。

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室生龍穴神社

アクセス

<住所> 奈良県宇陀市室生78

<電話> 0745-93-2003

<拝観時間>
4月1日~11月30日 8:30~17:00
12月1日~3月31日 9:00~16:00

<拝観料> 大人600円・子供400円(宝物館は別途400円)

<駐車場> 有料駐車場あり

電車・バスでお越しの方へ
近鉄室生口大野駅から室生寺前行きバス終点下車徒歩5分



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