法華寺
法華寺
光明宗総本山の法華寺は平城宮跡の端にある門跡寺院です。東大寺が全国の総国分寺であったのに対し、法華寺は総国分尼寺と位置づけられ、詳しくは法華滅罪之寺と言いました。本尊は秘仏で年間を通じて春・6月・秋に特別公開されます。
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歴史
創建は745年、光明皇后は、藤原不比等没後、不比等の屋敷を皇后宮とし、その後、総国分尼寺法華滅罪之寺とされました。その後、略称として法華寺と呼ばれるようになります。東大寺が総国分寺、法華寺が総国分尼寺となされ、『続日本記』には、光明皇后の勧めによると記されています。平安時代以降は衰退しましたが、鎌倉時代に真言律宗の祖である興正菩薩叡尊上人により再興されました。
本尊・十一面観音
十一面観音立像(国宝)
カヤ一木造り 像高:1m、平安時代初期
光明皇后が蓮池を歩かれた姿を写したと伝えられています。蓮の花と葉を交互にされた光背や、右足の少し浮いた遊び足は、他の仏様には、あまり見られない、特徴にあげられています。インドの仏師・問答師が光明皇后の姿を模してつくったとされていますが、調査によると平安時代初期の造立とされています。制作当初から彩色や金箔を施していない素木像で、保存状態は非常に良く、国内で7体しか国宝指定されていない十一面観音像の一つです。
【公開期間】
春・3月20日〜4月7日
初夏・6月5日〜6月10日
秋・10月25日〜11月15日
文殊菩薩像
平成30年に奈良国立博物館での調査により菩薩像内から巻物など180点の体内物が確認されました。
以前からの調査で、納入物があることは確認されていましたが、X線CT調査が改めて行われ、コンピューター断層撮影により、鮮明な画像として納入物が確認されました。
平成30年5月29日より一般公開が行われています(通年公開)
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浴室
法華寺本願光明皇后が薬草を煎じてその蒸気で多くの難病者を救済したところです。現在の建物は室町時代に改築されたものですが、敷石の一部は創建時の天平時代のものが残されています。
その他境内の様子
【光月亭】
この建物はもと東谷家住宅で昭和46年に月ヶ瀬村から移築されました。詳しい建築年代は不明ですが、構造手法から18世紀の建物と推定されます。ほとんど当時の姿を残したまま現在も使用される東山地方の代表的な民家で大変貴重な建物です。
護摩堂
鐘楼
薬師堂
横笛堂
稲荷社
南大門
年間行事
3月1日〜3月10日 | 春の古代ひな人形展 |
3月20日〜4月7日 | 春季・十一面観音像特別開扉 |
4月1日〜4月7日 | ひな会式 |
4月1日〜6月10日 | 春の国史跡 名勝庭園特別公開 |
6月5日〜6月10日 | 十一面観音像特別開扉 |
7月17日 | 蓮華会式・茅の輪くぐり |
10月25日〜11月15日 | 秋季・十一面観音像特別開扉、阿弥陀三尊・童子像特別公開 |
おすすめ授与品
【御守犬】
光明皇后が悪病災難難産を除かんと自ら作り、人々に授けた犬形のお守りが始まりとされます。今でも尼僧がひとつずつ手づくりしているためそれぞれ表情が微妙に違います。
価格:3000円(大)・2000円(小)
【入浴剤】
法華寺には浴室(からふろ)と呼ばれる風呂場が現在でもあり、光明皇后が薬草を煎じてその蒸気で多くの難病者を救済したところです。こちらも正倉院に記された薬草を元に作られたくすり湯です。
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近くのおすすめスポット
【海龍王寺】
法華寺からすぐ近くにある海龍王寺は、平城宮跡の端にあることから古くから「隅寺」と呼ばれ、「旅行・留学の安全祈願」の寺として現在でも多くの人が祈願に訪れます。こちらも法華寺同様に春と秋に十一面観音像のご開帳があります。
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【不退寺】
法華寺・海龍王寺と共に「佐保三観音」の一つとされ、在原業平が暮らしたとされる寺院です。また花の寺としても知られ、500種類以上の植物が一年中花が途切れることなく咲いています。毎年5月28日に行われる業平忌には多くの人が訪れます。
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アクセス
<住所> 奈良県奈良市法華寺町882
<電話> 0742-33-2261
<拝観時間> 9:00~17:00
<拝観料> 令和2年より改訂
本堂 大人:700円
特別公開時 大人:1000円
華楽園 大人:300円
<駐車場> 無料駐車場あり
電車・バスでお越しの方へ
近鉄奈良駅下車 高天交差点北西の乗り場より乗車、奈良交通西大寺駅行き(自衛隊経由)に乗車 法華寺下車徒歩3分
近鉄大和西大寺駅下車 北口バス乗り場より近鉄奈良駅行き(自衛隊経由)に乗車 法華寺下車徒歩3分
JR奈良駅下車 奈良交通西大寺駅行き(自衛隊経由)に乗車 法華寺下車徒歩3分