佛隆寺(仏隆寺)
仏隆寺
宇陀市の山間にある仏隆寺は桜の名所として「千年桜」で知られています。しかし見どころは決して桜だけではなく、聖徳太子作の仏像や、重要文化財の石室、さらに大和茶発祥の地ともされる歴史的にとても重要なところでもあります。
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歴史
室生寺の南門とされ、寺伝によると嘉祥3(850)年、弘法大師の高弟堅恵が堅興経を壇主として建立したと伝えられます。しかし本尊は仏隆寺建立以前の聖徳太子作と伝わる十一面観音菩薩であり、創建以前は興福寺の修円が住んだとも言われています。往時は七堂伽藍の大寺院で、室生寺の南門とは、正面の門として末寺の関係にあり、室生寺の宿坊または住職の隠居寺として重要な役目があったと考えれています。
石室
見どころの一つとして境内には貞観時代(859~876年)に構築された石室があり、これは開祖堅恵大徳の入定所(廟)で正面7m、奥行5m、高さ4.5mの宝形屋根を石で積み、日本にまたとないものであり、大正3年に国宝の指定を受けました。
大和茶発祥伝承地
仏隆寺は「大和茶の発祥地」でもあり、この茶臼が寺宝として本堂内に保存されています。重さ25kgほどあり、側面には麒麟が彫刻されています。
空海の入唐に随行した堅恵が、唐の徳宗皇帝より「茶臼」と「茶の種子」を拝受し、寺内に「苔の園」という茶園をつくり、全国に普及しました。この「茶臼」は寺宝として現存し、戦前・戦中は奈良国立博物館に出陳されていました。
千年桜
仏隆寺の最大の見どころはこの「千年桜」でしょう。樹齢900年のエドヒガン桜の大木で、県指定天然記念物となっています。夜にはライトアップも行われます。※画像はHPより引用
開花時期:3月下旬〜4月上旬
その他境内の様子
その他にも境内には元徳2年(1330)の銘をもつ十三重石塔や大和三名段に数えられる「石段」があり、石段は秋になると彼岸花が彩ります。彼岸花は近年獣の食害により減少しましたが、「佛隆寺彼岸花再生プロジェクト」により以前の様な姿ではないもののかなり彼岸花が咲き誇るようになりました。
十三重の石塔
石段
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近くのおすすめスポット
【大野寺】
681年に役行者が開き、824年に弘法大師が室生寺を開創の時、この地に一宇を建て、本尊弥勒菩薩を安置したとあり、室生寺の西の大門としたのが始まりです。鎌倉初期に磨崖仏が作られました。こちらも桜の名所としても知られます。
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【室生寺】
女人高野と呼ばれる真言宗室生寺派大本山室生寺です。人里離れた宇陀の山中にあり、平安時代のお堂や仏像など多くの宝物を現在まで残します。石楠花の花でも有名で、5月ごろには多くの参拝客が訪れます。また近年は紅葉期にライトアップも行なっています。
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アクセス
<住所> 奈良県宇陀市榛原赤埴1684
<電話> 0745-82-2457
<拝観時間> 9:00~16:30
<拝観料> 200円
<駐車場> 無料駐車場あり
電車・バスでお越しの場合
近鉄 榛原駅より奈良交通 曽爾、神末、上内牧行きバス「高井」下車 徒歩30分