国宝 聖林寺十一面観音 -三輪山信仰のみほとけ-
国宝 聖林寺十一面観音 -三輪山信仰のみほとけ-
聖林寺(奈良県桜井市)の十一面観音像は全国でも7体しか指定されていない国宝の十一面観音像で、天平彫刻の名作として知られています。後述の仏像も含め、本展覧会に出陳する仏像はかつて大神神社に祀られていました。奈良時代以降には仏教の影響を受けて神社に付属する寺(大神寺、後の大御輪寺)や仏像が作られました。本展では、大御輪寺にあった仏像や大神神社の自然信仰を示す三輪山禁足地の出土品なども展示します。
会期
会期:令和4年2月5日 (土)~3月27日 (日)
休館日:2月7日(月)・21日(月)・28日(月)・3月22日(火)
開館時間:午前9時30分~午後5時(土曜日は午後7時まで)※入館は各30分前まで
会場:奈良国立博物館 東館
博物館についてはこちら↓↓
聖林寺について
創建は伝承によると712年に多武峰妙楽寺(現在の談山神社)の別院・遍照院として藤原鎌足の長子・定慧が創建したとされています。本尊である地蔵菩薩より本展覧会にも出陳される十一面観音像(国宝)が有名です。安産祈願の寺としても知られ、多くの人が御祈願に訪れています。
詳しくはこちら↓↓
主な出陳物
主な出陳品です。※画像・文章の一部は奈良国立博物館より引用
【十一面観音立像】
木心乾漆十一面観音立像(国宝)像高:209.1cm 奈良時代末期
聖林寺どころか日本を代表する十一面観音像です。最大の特徴は男性らしさ。多くの十一面観音像が女性のような優しがあるのに対しこちらの仏像は肩幅があり顔も男性を思わせます。奈良時代以前の観音像には男性的な姿が見られ、唐招提寺千手観音像も男性的な顔をしています。
【地蔵菩薩立像】
地蔵菩薩立像(国宝)像高172.7cm 平安時代 法隆寺蔵
明治の神仏分離の際に大御輪寺から聖林寺へ、そして現在は法隆寺にて安置されています。等身大のヒノキ材の一木造りで、平安仏らしい太づくりの体軀は迫力があります。
現存する地蔵菩薩像のなかでも最も古い優品の一つです。
【日光菩薩立像】
日光菩薩立像 木造、漆箔 像高166.3cm 平安時代 正暦寺蔵
月光菩薩立像とともに、大御輪寺から正暦寺に移された仏像で、大ぶりな目鼻立ちや大きな耳、腰高で抑揚のあるプロポーションなど、平安時代前期の古様を示しています。
また対となる月光菩薩立像は穏やかな面相など、日光菩薩像と作風が異なります。
【朱漆金銅装楯(月輪)】
2面 木製、漆塗り 各縦158.0 幅41.0cm 鎌倉時代 大神神社蔵
日月を金銀で表わす一対の大楯。楯は敵の攻撃を防ぐ威力の象徴であり、その力を恃んで祭礼で用いられました。本作はその現存例であり、年紀を有するため、儀式に用いる武器の基準作として位置付けられます。
クラウドファンディングに挑戦中
聖林寺では、昭和34年に建てられた観音堂の老朽化が進み、早急に免震・耐震性のある観音堂が望まれるため、観音堂の大規模な改修事業を計画しています。観音堂の建設には総額1.5億円もの莫大な費用を要します。
そのため現在クラウドファンディングに挑戦中です。皆様のご支援よろしくお願いします。
詳しくはこちら↓↓
同時開催「お水取り展」
同時開催される本展覧会では毎年お水取りが行われるこの時期に合わせて開催され、実際に法会で用いられた法具も展示され、お水取りの歴史、また予習・復習などにも最適です。
詳しくはこちら↓↓
なら仏像館
なら仏像館は、飛鳥時代から鎌倉時代にいたる日本の仏像を中心に、国宝、重要文化財を含む常時100体近くの仏像を展示する、国内の博物館では、もっとも充実した仏像の展示施設です。
金剛力士立像(重要文化財)金峯山寺
木造 像高(阿形)505.8cm(吽形)506.2cm 南北朝時代
吉野町にある金峯山寺仁王門(国宝)に安置されていた仁王像です。仁王門は現在大規模な修理が行われており、しばらくの間は当館にて展示されます。東大寺南大門の仁王像に次大きさで、館内だからこそ感じる迫力は圧巻です。
※金剛力士像のみ撮影可
青銅器館
なら仏像館と渡り廊下でつながれた、青銅器館(坂本コレクション)は、昭和12年(1937)に当館の収蔵庫として建設されました。坂本コレクションとは古美術商店「不言堂」の初代社長で、古美術品の蒐集家・坂本五郎より寄贈された中国古代の青銅器380余点のコレクションです。
令和元年10月8日より青銅器館内の撮影が可能になりました。(他の館内は撮影不可)
詳しくはこちら↓↓
アクセス
<住所> 奈良県奈良市登大路町50番地
<電話> 050-5542-8600
<駐車場> 周辺に民間の駐車場あり
自動車をご利用の場合
名古屋方面から
西名阪自動車道・天理I.C.から国道169号線を北へ約15分。
大阪方面から
第二阪奈道路・宝来I.C.から国道369号線を東へ県庁を越えて約1分。
西名阪自動車道・天理I.C.から国道169号線を北へ約15分。
京都方面から
京奈和自動車道・木津I.C.から国道24号線を南へ、国道369号線を東へ約1分。
電車をご利用の場合
近鉄奈良駅下車 登大路を東へ徒歩約15分
JR奈良駅または近鉄奈良駅から市内循環バス外回り「氷室神社・国立博物館」バス停下車すぐ