宇太水分神社



宇太水分神社

宇陀市に鎮座する宇太水分神社(うだのみくまり)です。第十代崇神天皇の勅祭と伝えられており、古くから、水のまもり神として信仰を集めてきました。鎌倉時代に建造された本殿は国宝の指定されています。宇陀郡の総鎮守で水の配分を司る神を祀り、葛城水分神社、吉野水分神社、都祁水分神社をあわせた4社のみが大和の式内社の水分神社とされます。

御朱印はこちら↓↓

宇太水分神社(中社)

歴史・御祭神

当社は第十代崇神天皇の七年に勅命により祀られたと伝えられており、大和朝廷が飛鳥に置かれた頃、東西南北(それぞれ宇太、葛城、都祁、吉野)に祀られた大和四水分(みくまり)のうち東にあたります。川が合流する付近に鎮座することから、古くより水の守り神として信仰を集め、近隣の人々から「水分さん」と親しまれていました。

平安時代前期の第六十代醍醐天皇の御代には、大和四水分は大社に列せられ、祈年祭、新嘗祭、月次際の案上の官幣に預かり、『延喜式』において祈雨神祭の八十五座の一座に列せられています。

当地はかつて「宇陀の西殿の荘」と呼ばれ、春日大社興福寺の荘園であった縁で摂社春日神社が春日大社より勧請されて祀られました。市が立って栄えた場所でもありましたが、市が移った後は現在の地名である「古市場」と呼ばれるようになっています。

宇陀市には宇陀水分三社と3つの水分神社が存在し、惣社水分神社(上宮)、当社(中社)、宇太水分神社(下宮)となっています。

御祭神

第一殿・天水分神(あめのみくまりのかみ)
第二殿・速秋津彦命(はやあきつひこのみこと)
第三殿・国水分神(くにのみくまりのかみ)



本殿

宇太水分神社本殿 国宝 鎌倉時代

向かって右から第一殿、第二殿、第三殿であり、それぞれ、天水分神(あめのみくまりのかみ)、速秋津彦命(はやあきつひこのみこと)、国水分神(くにのみくまりのかみ)が祀られています。三棟はいずれも、一間社隅木入春日造の檜皮葺です。本殿三棟のうち、第一殿と第三殿は、鎌倉時代の元応二年(西暦1320年)に建造されたものであることが第一殿の棟木銘によって明らかであり、第二殿は永禄元年(西暦1558年)に修理工事が行われたことが棟木銘に記されています。三棟は等間隔で横一線上に並んでおり、「みくまり造り」と称され連結社殿の原初形式を示すものであります。建造当時の部材が良好な状態で残されていること、意匠が独創性に富んだものであること、さらに建造年代の明らかな隅木入春日造としては最古のものであることが評価され、昭和29(西暦1954)年に国宝の指定を受けております。

境内の様子

【春日神社】重要文化財

春日神社は、この地域がかつて、興福寺と春日大社の荘園であった関係で、室町時代に、春日社より勘請されて祀られたものです。社殿は、本殿と同じく一間社隅木入春日造の檜皮葺であり、本殿より一回り小さいですが、建築様式は本殿と非常に似通っています。社殿には、春日大社の御社紋である藤の美しい彩色が施されています。室町時代中期の建造であることが明らかであり、昭和29年(西暦1954)年に重要文化財の指定を受けました。

御祭神・天児屋根命(あめのこやねのみこと)

【宗像神社】重要文化財

宗像神社の社殿は、室町時代末期の建造であり、一間社流造の檜皮葺である。規模的には小さいが、意匠を凝らした蟇股の彫刻は実に見事であり、流造の屋根の曲線は非常に優雅です。1954(昭和29)年に重要文化財の指定を受けました。宗像神社がどのような経緯でこの地に祀られたのかは詳らかではありません。

御祭神・市杵島比売命(いちきしまひめのみこと)

【祓戸神社・稲荷神社】

大祠詞にある瀬織津比命・速秋津比命・気吹く戸主・速佐須良比命の四柱の祓戸大神等を祀ります。

本殿に参拝する前に、まずはこちらの神社に詣り祓い清めます。また稲荷大神を合祀しています。

【恵比須神社】

商売の神様をお祀りしている恵比寿神社は、地元古市場の商工会が中心となって維持、管理を行っています。恵比寿神社の例祭は、2月7日の初えびすであり、この日は、たくさんの出店などで賑います。

御祭神・蛭子之大神(ひるこのおおかみ)

【金刀比羅神社】

金刀毘羅神社は、この近隣の古市場地区の氏神様です。4月10日と9月10日の例祭には近隣の氏子の方々が集まり、和気藹々とした雰囲気の中で「ごくまき」が行われます。

御祭神・大物主命(おおものぬしのみこと)

【夫婦杉】

この二股に分かれた老杉は、夫婦になぞらえて「夫婦杉」と呼ばれています。根元は夫婦の和合を表しているようで大変めでたい木です。

10月の例大祭には、上芳野・惣社水分神社より女神様である速秋津姫命の渡御があり、この根元に鳳連神輿を奉安し、当社の男神である速秋津彦命とお逢いになられます。そのことから、本殿に詣でたのち縁結びを願う人、また夫婦円満や家内安全、子孫繁栄を祈願する方々の姿があります。

【頼朝杉】

源頼朝公が幼少期に当社を詣で、この杉苗が大きく育つことがあれば征夷大将軍になることが叶うであろうと、占うために植えさせたのが初代のものであると伝えます。※現在は二代目

水分の 神の誓いを 植えおきつ 後に栄の 老杉を見む と詠まれています。

【有霊石】

当社は霊峰・高見山が雲がかりして、頂より神様が発たれ当地に降臨されたことに由来し、その峯の方角を指しています。また伊勢神宮の方にも向いているとされています。

祈雨祈願に霊験があるとされ、渇水の折は、石に向かい水分大神を遙拝することをしていたと伝えます。

年中行事

1月1日 1時~ 歳旦祭、水道事業の豊水と安全操業祈願祭
2月7日 末社恵比寿神社例祭(初えびす)
おんだ祭(作物の豊穣を祈願します)
4月10日 末社金刀毘羅神社 春季例祭
4月21日 奉賛講講員平安祈願祭
6月30日 夏越の祓い
7月21日 摂社春日神社例祭(夏まつり)
8月16日 納涼夏まつり
9月10日 末社金刀毘羅神社 秋季例祭
10月第三日曜 例大祭
11月23日 新嘗祭
11月下旬の亥の日 摂社宗像神社例祭
12月31日 大祓い式

近くのおすすめスポット

【又兵衛桜】

奈良県屈指の桜の名所と知られる樹齢350年の枝垂れ桜です。その名の通り戦国武将・後藤又兵衛の屋敷の跡にあることから「又兵衛桜」と呼ばれるようになりました。

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又兵衛桜

【天益寺】

宇陀市にある寺院で、桜の名所です。しかしあまり知られていないのか人気が少なく、穴場スポットです。鎌倉時代に創建された古刹ですが、平成11年に焼失し現在再建中です。

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天益寺



アクセス

<住所> 奈良県宇陀市菟田野古市場245

<電話> 0745-84-2613

<駐車場> 無料駐車場あり

<HP> http://www1.odn.ne.jp/udanomikumari/index.html

電車・バスで起こしの場合
近鉄大阪線 榛原駅下車。
奈良交通バス10番、11番で古市場水分神社前(岩崎東口の次です。)下車徒歩5分



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