第73回正倉院展
第73回 正倉院展
秋の奈良と言えば正倉院展と思われる方が多く、奈良国立博物館で最も人気の展示です。今年で73回目を迎え、例年と同様に楽器、調度品、染織品、仏具、文書・経巻など、多彩なジャンルの品々が55件(初出陳8件)出陳されています。特に今回最注目の展示品である「螺鈿紫檀阮咸」は28年ぶりの公開となります。
正倉院展では一度公開されると最低でも10年は同じ物は展示されないとされており(ごく稀に例外あり)、さらに会期が2週間ほどと非常に短いため、気になる展示品がある方はぜひ足を運ばれることをお勧めします。
会期・会場
会期 令和3年10月30日(土)~11月15日(月)
会場 奈良国立博物館
休館日 会期中は無休
開館時間 午前9時~午後6時 ※金曜日、土曜日、日曜日、祝日(11月3日)は午後8時まで
奈良国立博物館についてはこちら↓↓
前売日時指定券
本展覧会の観覧には事前予約が必要です。当日券の販売はありませんのでご注意ください。
前売り券は9月25日(土)からの販売で、前売日時指定券は、ローソンチケット[Lコード:57700](ローソン及びミニストップ各店舗、電話受付(TEL:0570-000-028)、または公式サイト<https://l-tike.com>)で販売します。
【観覧料金】
一般 | 2,000円 |
高大生 | 1,500円 |
小中生 | 500円 |
キャンパスメンバーズ学生 | 400円 |
研究員レクチャー付き鑑賞券 ※11月4日(木) | 3,000円 |
無料指定券 障害者1名 | 無料 ※ただし、無料指定券の予約・発券が必要 |
無料指定券 障害者1名+介護者1名 | |
無料指定券 奈良博プレミアムカード |
正倉院とは
正倉院とは東大寺(現在は宮内庁管轄)にある倉庫で、聖武天皇の遺愛品を中心に約9,000件の宝物が納められています。
正倉院展はその宝物の虫干しを兼ねて一般公開する展覧会で、毎年約60点ほどが公開されています。楽器、伎楽面、調度品、佩飾品、染織品、文書・経巻などオールマイティーに展示されます。
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主な出陳品
本展の主な出陳品です。※一部画像・文章は奈良国立博物館HPより引用
【螺鈿紫檀阮咸(らでんしたんのげんかん)】
奈良博では平成8年(1996)、東博を含めても平成21年(2009)以来の出陳品です。聖武天皇遺愛品で、円い胴部をもつ4絃の琵琶で、中国晋時代の竹林七賢の1人、阮咸がこれを愛好したことから、その名をとって呼ばれるようになりました。
主に紫檀材をもって作り、螺鈿で賑やかに飾り、胴の中央に緑青地に樹下人物を描いた革製円形の撥受けを貼ります。
この阮咸にみられる精巧かつ華麗な装飾は、華やかな正倉院宝物として最も有名な「螺鈿紫檀五絃琵琶」と双璧をなすと言われています。
【笛吹襪】
左・オリジナル 右・復元品
752年の東大寺開眼会で演劇を披露する際、笛を演奏する人が吐いた靴下「笛吹襪(ふえふきのしとうず)」です。奈良博では平成10年(1998)以来、東博を含めても平成21年(2009)以来の出陳です。
また本展覧会に先立ち、8月に復元されたことでも話題になりました。(本展覧会では復元品も展示)
【漆金薄絵盤(香印坐)】
径56.0cm 高17.0cm
仏像の蓮華座のような形をした木工品です。岩形の基座の上に華麗な蓮弁を葺、盆状に作った蓮肉をのせています。蓮弁は黒漆を塗り、外側は金箔を押し、唐から花文や迦陵頻伽が、花喰鳥・鳳凰・獅子などを彩絵しています。岩座の裏面に「香印坐」という墨書があり、仏前に供える香具の台座であったことが伺えます。
【白瑠璃高坏】
径29.0cm 高10.7cm 重1231g
平成15年(2003)の出陳となる品で、黄色味をおびた透明ガラスの高坏です。中近東ないし地中海東岸(シリアやエジプトなど)で作られたローマンガラスもしくは初期イスラムガラスで、高度な技術水準を示すガラス器の優品として注目されます。
【青斑石硯】
硯縦14.7cm 横13.5cm、台長径30.5cm 高8.2cm
平成19年(2007)以来の出陳になる本品は、正倉院に伝わる唯一の硯です。中心部は現在の硯と変わらない事に驚かされます。
硯本体は須恵器(陶器)で、それを六角形の青斑石で飾られ、白い縁の部分は象牙を細く切ったものを貼っています。
なら仏像館
なら仏像館は、飛鳥時代から鎌倉時代にいたる日本の仏像を中心に、国宝、重要文化財を含む常時100体近くの仏像を展示する、国内の博物館では、もっとも充実した仏像の展示施設です。
如意輪観音坐像(重要文化財) 木造、一木造、像高94.9cm
平安時代 とても可愛らしい印象の仏像で、館内でもマスコットキャラ的人気でもあります。しっかりとした体躯でありながら威圧的な雰囲気はなく、リラックスしている姿は多くの如意輪観音像で言えることですが、特にこちらの仏像は際立っています。かつては彩色がありましたが現在では一部を残しほとんどが剥がれています。
伽藍神立像 木造、一木造、像高56.3cm
鎌倉時代 この姿が異形の大黒天と解釈され「走り大黒」の名で親しまれてきましたが、本像と着衣や姿勢が同じものが、京都・東福寺仏殿の伽藍神像の中にあり、「感応使者(かんのうししゃ)」あるいは「監斎使者(かんさいししゃ)」と呼ばれていたことがわかり、現在では「伽藍神立像」という名で呼ばれています。
金剛力士立像(重要文化財)金峯山寺
木造 像高(阿形)505.8cm(吽形)506.2cm 南北朝時代
吉野町にある金峯山寺仁王門(国宝)に安置されていた仁王像です。仁王門は現在大規模な修理が行われており、しばらくの間は当館にて展示されます。東大寺南大門の仁王像に次大きさで、館内だからこそ感じる迫力は圧巻です。
※金剛力士像のみ撮影可
青銅器館
なら仏像館と渡り廊下でつながれた、青銅器館(坂本コレクション)は、昭和12年(1937)に当館の収蔵庫として建設されました。坂本コレクションとは古美術商店「不言堂」の初代社長で、古美術品の蒐集家・坂本五郎より寄贈された中国古代の青銅器380余点のコレクションです。
令和元年10月8日より青銅器館内の撮影が可能になりました。(他の館内は撮影不可)
詳しくはこちら↓↓
アクセス
<住所> 奈良県奈良市登大路町50番地
<電話> 050-5542-8600
<入館時間> 9:00~18:00
<駐車場> 周辺に民間の駐車場あり
自動車をご利用の場合
名古屋方面から
西名阪自動車道・天理I.C.から国道169号線を北へ約15分。
大阪方面から
第二阪奈道路・宝来I.C.から国道369号線を東へ県庁を越えて約1分。
西名阪自動車道・天理I.C.から国道169号線を北へ約15分。
京都方面から
京奈和自動車道・木津I.C.から国道24号線を南へ、国道369号線を東へ約1分。
電車をご利用の場合
近鉄奈良駅下車 登大路を東へ徒歩約15分
JR奈良駅または近鉄奈良駅から市内循環バス外回り「氷室神社・国立博物館」バス停下車すぐ